大学生の53%は1日の読書時間がゼロだという。全国大学生活協同組合連合会は2月26日に第53回学生生活実態調査の結果から明らかになった。
調査は75の国公立私立大学の大学生協が参加している。連合会のホームページでは経年変化を追うため、同会が指定する30の大学の平均値を公表している。
一方で1日あたりのスマホ利用時間は平均約3時間
読書時間ゼロが半数を越えたのは、調査に読書時間が加わった2004年以降初めてとなる。時間だけでなく本に割くお金も減っていて、月々の「書籍費」が支出に占める割合は、自宅生(2.1%)・下宿生(1.3%)共に過去最低を記録した。自宅生の一か月の書籍代は1340円、下宿生は1510円だった。
1日にスマホを使う時間の平均は177.3分で、前年から15.8分増加した。男性は174.4分、女性は180.8分だった。男女ともに、1日に3時間程度費やしている計算だ。
こうしたことから、読書時間の減少は「スマホが原因」と勘ぐる人も少なくないだろう。しかし、同志社大学の学習支援・教育開発センターの浜島幸司氏はこの仮説を否定している。2013年から2017年までの過去5年間のデータを分析し、
「スマホ利用が読書を減少させたという説は支持されない。むしろ、最近の大学生の高校までの読書習慣が全体的に下がっていることの影響が大きい」
という見方を示している。
調査では、1日の勉強時間についても聞いている。授業時間を除く予習・復習・論文などの勉強時間は1日平均49.6分で、文系が32.2分、理系が59.6分、医歯薬系が72.8分と、学部による差が大きい。全体平均は前年から3.2分減少し、文系の勉強時間は3年連続減少している。一方で、「大学以外の勉強」の時間は、文系が25.1分、理系が18.4分、医歯薬系が21.3分と文系が最も高い。
一人暮らし大学生の収入源で「アルバイト」の存在感増す
学生の月々の収入は、自宅生が6万4070円、下宿生が12万3890円。このうち、収入源として金額が最も多いのは、自宅生がアルバイト(3万7920円)、下宿生が仕送り(7万2980円)だった。
仕送りが0円の下宿生は7.1%で、2010年の10.5%をピークに緩やかに減少傾向にある。一方でアルバイトからの収入額は2年連続で増加し、金額、収入に占める構成比(23.2%)ともに過去最高を更新した。