岡山国際サーキットでのメーカーテストでDENSO KOBELCO SARD LC500をドライブする小林可夢偉 多くのトピックスがある2018年のスーパーGT。そのうちのひとつが、LEXUS TEAM SARDに加入しDENSO KOBELCO SARD LC500を駆る小林可夢偉だ。今季はスーパーフォーミュラ、そしてWEC世界耐久選手権と3カテゴリーに参戦する可夢偉に、その意気込みを聞いた。
可夢偉は2017年のスーパーGT第6戦鈴鹿1000kmでWedsSport ADVAN LC500を駆りスポット参戦。2018年はヘイキ・コバライネンのパートナーとしてLEXUS TEAM SARDに加入し、“元F1ドライバーコンビ”を結成し、16年のチャンピオンチームで強力なラインアップが組まれることになった。
そんな可夢偉に、まずはスーパーGTへのシリーズ参戦を決めた理由を聞くと、「スーパーGTは、もともとチャンスがあれば出たいと思っていたんです」という返事が返ってきた。
「もともと自分としては、2戦以上WECとスケジュールがかぶっていたら出ないつもりだったんですが、トヨタさんからも『大丈夫』と言ってもらいました」と可夢偉。
2017年の鈴鹿で参戦した際の可夢偉のスーパーGTの印象は「盛り上がっているな」というもの。ただ、3メーカーが激しい戦いを展開しているGT500でシリーズ参戦して勝つためには、いかに可夢偉とコバライネンというコンビでも、簡単なものではないことは本人も承知の上だ。
「今シーズンは、きちんとシーズン前からテストをして参戦することができるので、どこまでできるのかすごく楽しみにしています」と可夢偉は言う。ただ、これまで1月下旬に富士で行われたテストは降雪に見舞われたほか、WECのテスト等もあり、他のドライバーに比べるとマイレージを伸ばせていない。
この取材をした岡山国際サーキットでのメーカーテストでも、可夢偉はポルトガルでWECテストを終え、羽田空港で飛行機を乗り換え岡山に直行。2日目の午後だけドライブし、その後イベント出演のために名古屋へ向かうなど、超ハードスケジュール。ただそのなかで、いかに効率良く開幕へ向けて準備を進めるかが可夢偉にとってカギとなりそうだ。
「まずはしっかりと準備をしていきたいのですが、スケジュールがかぶっていてなかなかテストができていなくて。厳しい状況ですけど、もう少し練習して慣れていかないと。自分で選んだことなので、仕方ないですけどね。効率的に練習して、クルマに慣れたいと思います」
「WECもスーパーGTもスーパーフォーミュラも、今年はしっかり結果を残していきたいです。どれも十分結果が残るチャンスはあると思っていますから。まだテストが始まったばかりですが、ひとつずつ、しっかり準備しないといけません。ル・マン24時間も、しっかり昨年の借りを返したい。楽しみにしています」と可夢偉は2018年に向け抱負を語ってくれた。
F1時代から話す間柄だったというコバライネンとは、走行後も英語でコミュニケーションをとり、チームワークは良好な様子が見て取れた。初のシリーズ参戦で可夢偉がどんな活躍をみせてくれるのか、大いに楽しみなところだ。