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【津川哲夫のF1新車チェック】期待を裏切る大幅な独自進化。C37はひさびさにザウバーらしい意欲作

2018年02月26日 11:01  AUTOSPORT web

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2018年F1新車発表:ザウバーC37
ここ数年おとなしかったザウバーが、久々にザウバーらしい意欲作を送り出した。C37は今までいろいろな制限の中で(特に金銭面で)できなかった開発へのフラストレーションを晴らすかのごとく、さまざまなアイデアを満載してきた。

 ノーズ先端はフォース・インディアのごとく左右2ホールでクラッシュ強度とセンター・エアフローの確保を狙い、フロントサスペンションはハイリフト化し、アップライト側のブラケットはメルセデスやトロロッソのようなエクステンションを使用しアームをパラレルに設定、空気流への干渉の低減を狙っている。

 さらにハロシステムのフロント上面にはスリット付きフラップが装着され、エアフローの渦流を調整。おそろしくコンパクトに絞り込まれ短く後方に下がったサイドポッドには、エントリー部リーディングエッジの高い位置にスラットと言うよりも整流翼と表現した方がよい空力パーツを装着。そして、ほぼ剥き出しのクラッシャブルストラクチャーはフェラーリ的処理が伺えるアプローチが垣間見える。

 また、ロールフープはフープではなくセンターピラーを使ったザウバーの独自方式で強度を賄い、下段前方と中段ミドル、上段後方に6箇所に分割されたインダクションボックス・インテーク部は興味深い。シャークフィンの根元にもインテークダクトが装着され、シャークフィン部は脱着可能でオプションがあるのは、昨年からザウバーが創り出した手法だ。

 C37からついに最新型のフェラーリPU(パワーユニット)とフェラーリギヤボックスが搭載され、これだけでも基礎ポテンシャルは昨年よりもはるかに向上したはずだ。

 C37の発表以前はザウバーに大きな期待感はなかったのだが、自由な開発が可能となった現在、これまで発表されたどのチームよりも発想が奔放で面白い。現実の性能はともかく、新鮮味では高く評価したいところだ。