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Sexy Zoneが見せるリアルな成長ストーリー 最新アルバム『XYZ=repainting』から紐解く

2018年02月23日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 Sexy Zoneが今夜放送の『MUSIC STATION 2時間SP』(テレビ朝日系)に出演する。披露するのは、2月14日に発売した最新アルバム『XYZ=repainting』にも収録されているシングル曲「ROCK THA TOWN」と「ぎゅっと」だ。ハードなロックナンバーとキュートな振り付けの応援歌。異なるテイストの2曲は、爽やかさと大人の色気とが混ざり合う、今のSexy Zoneならではのステージを見せてくれそうだ。


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 Sexy Zoneがデビューしたのは、2011年11月。最年長の中島健人が17歳、最年少のマリウス葉はわずか11歳だった。デビュー決定と共に発表されたそのグループ名には、“マイケル・ジャクソンのようなセクシーさ”が込められていた。それから6年経ち、少年から青年へと成長を遂げた5人。今まさにセクシーさで魅了するグループに羽化したといえるだろう。


 「ROCK THA TOWN」は、その象徴とも言うべき1曲。s**t kingzが振り付けを担当したことでも話題になったAOKIのCM。スーツのジャケットを翻し、カウントをずらしてメンバーがつま先立ちでポーズをキメる姿は、マイケル・ジャクソンのセクシーさとリンクする。ぜひ今夜のライブでは、イントロを見逃さないでほしい。スッと立っているところから、5人で一気に動き出す美しさは大きな見どころだ。蹴り上げた脚、胸に当てる手、クイッとあげる顎……動いたと思ったら、ピタッと止まる体幹の強さ。そして肩や腰など、身体の一部分を滑らかに動かす振り付けも、男性的な体つきと筋力を身につけたからこそ、セクシーさが際立つ。


 また歌唱面でも、彼らの成長を感じられる。佐藤のソロパート<Wicked Wicked time>では、繊細な印象があった佐藤の歌声が雄々しく進化していることがわかる。また、サビの<踊れParty people to da funky tune>を、佐藤ひとりでしっとりと歌うパートは必見。Sっ気のある眼差しで、ハスキーボイスで囁くように歌う様は、“わかっている感”がすごい。ファンの前で歌い続けてきたこの6年の経験が、佐藤を“男”にした。


 また、グループで最も歌を愛している菊池風磨も、甘い吐息混じりの特徴的な歌声で、心地よく歌の世界へと導いてくれる。ソフトなタッチで手を引き、そのままダンスフロアに誘われたかのような、鮮やかな歌声のエスコート。<テンション上げてAlrightついて来なよ Aw!>と盛り上げ、<もっと弾けろ!>の高音シャウトも安定感抜群だ。中島も<illなヴァイブは蹴散らしてGet it on>とこちらも負けない野性的な歌声で魅了する。もちろん、投げキスなど中島らしい王子様的スパイスも。基本の振り付けに余裕があればこそのケンティらしさには、思わず拍手を贈りたくなる。


 そして、Sexy Zoneが5人でなくてはならない理由が、松島聡とマリウス葉のピュアな歌声が織りなすユニゾンだ。松島の声はいい意味で癖がないため耳馴染みが良く、多くの人にまっすぐに届く力を持つ。一方で、マリウスが持つネイティブ発音は、洋楽テイストのロックナンバーとの相性がいい。2人の歌声こそがSexy Zoneらしさを作っている、といっても過言ではないだろう。


 「ぎゅっと」は、まさに5人でいることを慈しむ歌。「仲間たちを想って、手紙を書くような想いで、作詞をさせて頂きました」とは、共作という形で「ぎゅっと」の作詞に挑戦した菊池の言葉(ジャニーズWeb「薔薇色の日々」より)。Sexy Zoneの歩みは、決して平坦なものではなかった。3人体制になったり、別のユニットと掛け持ちしたりと、ファンの中でもどう応援したらいいのかわからなくなるような模索の日々もあった。だが、その時期を乗り越えたからこそ、今の魅力的な5人がいるのではないか……そんな風に思わせてくれるのは、彼らがひたむきに努力してきた結果だ。


 アルバム『XYZ=repainting』には、さらに佐藤&菊池、中島&マリウス&松島、グループ内のユニット曲も収録されている。佐藤&菊池の「Sing along song」は、菊池が「オレ」、佐藤が「僕」と、歌詞の世界観を巡って一悶着あったと、雑誌『QLAP!』で語られている。妥協せずにぶつかり合えるいい関係性を感じさせるエピソードだ。また、中島&マリウス&松島の「Luv Manifesto」は中島がリードする形で、ふたりの恋愛観を掘り下げていったという。その結果、松島から<愛は凶器>という歌詞が飛び出したのだとか。大人の恋を連想させるワードにも成長を感じずにはいられない。


 さらに、5人が未来をテーマに作詞した「O.N.E ~Our New Era~」は、それぞれが作詞してきたものを組み合わせてできあがったのだそう。「5人が書いてきた歌詞が偶然うまく重なるっていう、だから一つのところを向いていた、それがSexy Zoneだった」と、佐藤は語った。


 今夜のライブで披露される2曲、そしてアルバムから紐解かれるのは、Sexy Zoneという5人が見せてくれるリアルな成長ストーリーだ。年齢的にも、経験的にも、様々な表現を見せられるようになってきた。ここからさらに加速していくことだろう。異なる個性を持つ5人が、決して見失わなかった未来。その実現をしっかりと見届けたい。(文=佐藤結衣)