「女子会」という響きには、女だけで楽しくやろうというワクワク感が込められている。アラフィフ筆者もたまに参加するが、年齢・性別による気遣いやしがらみ抜きで、女同士思いきり内輪話をするのだ。そりゃ楽しいに決まっている。
しかし世間の風は「女子」の濫用に敏感だ。先日ガールズちゃんねるに「女子会って言えるのは何歳くらいまでの集まりだと思う?」とトピックを立てた人がいる。
「私はギリギリ30代くらいまでかなと思います」
と書いたところ、否定の声が相次いだ。(文:okei)
「なんでおばさんが女子を名乗りたがるの?飲み会でいいじゃん」
レスコメントは「本人が女子と思ってたら女子会でよくね?」を始め、
「今の時代、年齢制限はないと思う」
「自分たちの気がすむまで言えばよし」
など、「何歳でも」という意見が大半だ。「女子トイレ」や「女子の部」など、大人になっても女性を指す言葉として使われているのだからOK、また、「おばあちゃん達が『女子会』って言ってたら可愛い」との声も多数ある。むしろ「何故なんでも年齢で区別したがるの?」と、質問自体がナンセンスという批判も目立った。
一方で、「20代前半までじゃない?それ以降はちょっと違和感」や、10代までという声もある。
「なんでおばさんが女子を名乗りたがるの?飲み会でいいじゃん」
「昔はおばさんの集まりは婦人会って言ってたよ。30過ぎたら婦人会だよね」
などの手厳しいコメントもチラホラ見受けられた。
確かに、傍から見れば「いい歳して女子なんて図々しい!」と思う人がいるのも無理はない。しかし、本人たちには「心はいつまでも女子」「女友達といるときくらい、女子になってもいいじゃない」という思いがある。お互いが分かり合うのは難しい。
企業が作った「女子会」のプラスイメージを、女性は喜んで受け入れている
考えて見れば、かつて女同士の会合を指すうまい言葉は無かった。「婦人会」では自治会の義務的な集まりのようだし、単なる「飲み会」では味気ない。やはり「女子会」のほうが少し秘密めいていて、圧倒的に楽しげなイメージがある。
飲食店が「女子会プラン」を用意するのは、「飲み会」や「レディースプラン」より、楽しげな雰囲気を打ち出せるからだ。「女性限定プラン」でもいいが、やはり「女子会」のほうが軽快で響きがいい。
商売人は、そのプラスイメージを集客に利用している。「女子会」は2010年の流行語大賞に選ばれていて、受賞者は「白木屋」「魚民」「笑笑」などを展開する居酒屋大手「モンテローザ」の大神輝博社長だ。つまり、これを世に打ち出したのは飲食業界。言い方は悪いが「女性を上手いこと持ち上げて」商売に結びつけたのである。
女性たちは、その策略にまんまと乗ったというより、喜んで受け入れたのだ。
まあ、いいトシで女子会女子会言ってる人たちだって、自分たちがもう「女の子」と呼べる年齢ではないことぐらい知っている。しかし、それで女性たちの気分が良くなって飲食業界が潤うなら、大いに結構ではないだろうか。料金が変わるわけでもなし、ぬるい目で見守ってやってください。