個人同士で物やサービスを売買するC2Cサービスの隆盛が著しい。市場拡大の一方で、トラブルも相次いでいる。
国民生活センターは2月22日、全国の消費生活センターに寄せられる、フリマサービスの相談件数を発表した。2012年度は173件だったものが、2016年度には2917件まで増えている。2017年度は、1月31日の時点で既に3330件に到達。2012年度の20倍になる計算だ。
購入者から「バッグを査定に出したが値が付かなかった。返品したい」と無茶ぶりも
寄せられる相談の9割は、出品者と購入者間のトラブルだ。購入者からは「商品が届かない」「壊れた商品・偽物等が届いた」といった声が多いようだ。
「フリマアプリで購入した商品が偽物だったのに出品者に返品に応じてもらえず、アプリ運営事業者に相談したら『当事者間で話し合うように』と言われた」
一方で、出品者から「商品を送ったのに、商品が届かない等を理由に商品代金が支払われない」「商品代金の返金を求められた」といった相談もある。
古い型のブランドバックをフリマアプリに出品した神奈川県の30代の女性は、購入者から「バッグを査定に出したが、あまり値がつかなかった」と、返品を希望された。古い型でも欲しい人はいるだろうと思って出品しただけなので「返品は受けない」と伝えたところ、「値がつかないのは偽物だからだろう。お金を受け取れないようにしてやる」等と返事が来て、連絡が途絶えたという。
フリマアプリで洋服を約2万8000円で出品した別の女性は、商品発送後に購入者から「商品が届かない」と苦情を受けた。配送事業者のホームページで配送状況を確認しても「配送済み」と表示され、業者に直接確認しても「購入者宅のポストに投函した」と言われたそうだ。
アプリ運営事業者に苦情を伝え対応を相談しているが、回答が遅く、現在も購入者から商品発送を求める連絡があって困っているという。
未成年が酒やたばこを手にしてしまう事例も
この他、未成年者が酒類やたばこ等、年齢確認の必要な商品を購入しているケースもあった。フリマアプリでは、出品者が購入者の年齢を確認することは難しい。こうしたトラブルを防ぐには保護者の監督に頼るだけでなく、サービスの設計改善も必要だろう。
取引相手に、フリマサービスで禁止されている行為を持ちかけられトラブルに巻き込まれる例もある。
フリマアプリでスニーカーを購入した20代男性は、出品者から「今日中にお金が必要なので、直接自分の銀行口座に代金を振り込んでほしい」と言われた。「プリペイド型電子マネーを購入し、その番号を教えてもらう方法でもよい」とも言われ、不審には思ったものの、どうしてもスニーカーが欲しかったため、氏名と住所を確認した上で、銀行口座に代金を振り込んでしまった。その後、入金確認の連絡をしても返信は来ず、商品も発送されていない。お金をだまし取られた可能性が高い。
フリマサービスによっては、自社が用意する決済方法以外での代金支払いを禁止している場合がある。国民消費センターは、規約を遵守すると共に、サービスで禁止されている行為を持ちかけられても絶対に行わないよう呼びかけている。