スバル/STIは2月22日、2018年のスーパーGT300クラスに投入するSUBARU BRZ 300とニュルブルクリンク24時間耐久レースに投入するスバルWRX STIのシェイクダウンを富士スピードウェイで行った。
GT300には2012年からスバルBRZベースのJAF-GTマシンを投入しているスバル/STI。2017年はドライバーやタイヤメーカーなどを不変の体制で臨んだが、チャンピオンシップで9位と苦戦を強いられた。
開幕を4月に控えた2018年シーズンに向けてはドライバーに井口卓人と山内英輝のコンビを継続起用する一方で、チーム体制を変更。これまでチームを指揮してきた辰己英治総監督に代わり、STI(スバルテクニカインターナショナル)の渋谷真氏がプロジェクトゼネラルマネージャーに就任している。
シェイクダウンに先立ち行われたカンファレンスで、STIの平川良夫代表取締役社長は「2017年シーズンをふり返りまして、もう一度戦って勝つというところに立ち返り、走る、曲がる、止まるという基本を見直してまいりました」とコメント。続いて、各マシンの改良点などが解説された。
マシンについては、搭載する2リッターの水平対向ターボエンジンの燃焼室形状の見直しやエンジンヘッド内冷却性改善などが施されたほか、ボディは前後フェンダー、カナード、ドアミラーを新規に設計してエアロ特性を改善。
そのほかブレーキ熱容量の改善、ブレーキメーカーがブレンボに変更、サスペンション改良によるタイヤ接地効率の改善など、全方位で戦闘力向上が図られた。
2008年から参戦を続けるニュル24時間については、2017年大会ではフィニッシュまで残り3時間でマシンから出火があったためリタイア。クラス3連覇の夢が途絶えている。
2018年は昨年の雪辱を果たすべくSP3Tクラスに継続参戦。予選ポールポジションとクラス優勝を目標に、マシンはエンジンのエキゾーストマニホールドや吸気ダクトの形状見直し、集団走行時のドライバビリティ改善を目的としたギヤ比の見直し、フロントフェンダー、カナードなど空力パーツの刷新などが行われている。
ドライバーは山内/カルロ・バンダム/ティム・シュリックに、昨年までトヨタ陣営からニュル24時間を戦っていた井口を加えた布陣。チームを率いるのは辰己総監督と、お馴染みの顔ぶれとなる体制を築いている。
今シーズンからニュル24時間にもスバルから参戦する井口は、スーパーGTについて「2017年シーズンは、めちゃくちゃ悔しい思いをしました。ただ、2018年に向けた準備としては充実した1年。悔しさを無駄にしないよう、全力で頑張ります」と期語を語る。
「ここ数年の流れでは、寒い時期(の開幕戦や最終戦)で取りこぼしが多い。この点を強化したいと思っています。また、(2018年シーズンの)最終戦前はBRZが得意なオートポリス。早い段階で勝利して、いい流れでオートポリスに乗り込みたい」
「ニュル(24時間)は、今年からスバルの一員として戦うことになります。チームでは1年目ですが、ニュル自体は7年目の挑戦。微力ですが、王座奪還に向けて貢献したいと思います」
こう語る井口とタッグを組む山内も「シンプルにGTはシリーズチャンピオン、ニュルは王座奪還を目指したい」と力強く意気込んだ。
カンファレンス後には、スバル/STIの2台がシェイクダウン。厳しい寒さで雪も舞うなか、15時からの専有走行枠で走行が行われた。BRZ GT300、WRX STIともに、まずは山内のドライブでコースを走行した。
その後は、3月にドイツへ向かって輸送されるWRX STIを中心に走行。山内に加え、井口もステアリングを握っている。