ドラマ『連続ドラマW ダブル・ファンタジー』が夏にWOWOWで放送される。
『中央公論文芸賞』『島清恋愛文学賞』『柴田錬三郎賞』を受賞した村山由佳の同名小説を映像化する同作は、35歳の人気脚本家・高遠奈津が主人公。家事を支える夫・省吾と郊外の一軒家で暮らしている奈津が、舞台演出家の志澤一狼太から新作舞台に招待され、一夜を共にしたことをきっかけに「女」であることに貪欲に生きていくというあらすじだ。
奈津役に水川あさみがキャスティング。共演者には、奈津が今までの生活を捨てるきっかけとなる志澤一狼太役の村上弘明、大学時代の元恋人で新聞記者・岩井良介役の田中圭、奈津を支配しようとする夫・省吾役の眞島秀和、野心に燃える若手役者・大林一也役の栁俊太郎、幼い頃から奈津を縛りつける母親・紀代子役の多岐川裕美、奈津が唯一心を開いている編集者・岡島杏子役の篠原ゆき子らが名を連ねる。監督は御法川修が務めた。
水川あさみは「まず女というものがもろに表立った作品、いままで縁のなかったような役柄がわたしのところに来た事にまず驚きました」「欲望に正直に生きるということは自分の自由を掴み取るということ、それは孤独ということ。わたしなりにいまの精一杯でさらけ出し、奈津を演じることはチャレンジでした。良い意味での不快感を味わっていただけるとうれしいです」とコメントを寄せている。
■水川あさみのコメント
・作品のオファーを受けたときの感想について
まず女というものがもろに表立った作品、いままで縁のなかったような役柄がわたしのところに来た事にまず驚きました。
・本作品でのチャレンジについて
欲望に正直に生きるということは自分の自由を掴み取るということ、それは孤独ということ。
わたしなりにいまの精一杯でさらけ出し、奈津を演じることはチャレンジでした。
良い意味での不快感を味わっていただけるとうれしいです。
■村山由佳のコメント
・映像化が決まった際の気持ち、主役を水川あさみが演じることについて
主人公・奈津は、演じるにはおそろしく厄介な役だと思います。
奔放で、性的快楽への好奇心を抑えきれない女。けれど彼女は人一倍モラリストでもあり、周囲に見せる顔と本当の自分との乖離に苦しんでいる。――もしかすると同性からさえ後ろ指をさされかねないこの難役を、大きな覚悟で受けて立って下さった水川あさみさん、そして、地上波ではまず望めない大胆さと細やかさをもって、見事な人間ドラマに織り上げて下さった御法川監督に、心からの感謝と賞賛を捧げます。
■御法川修監督のコメント
・監督オファーを受けた際の感想や新たに挑みたいことについて
不倫報道が相次ぎ、ヒステリックなバッシングが激しさを増す昨今、「正しく生きること」に縛られた社会の圧迫を息苦しく感じている人は少なくないはずです。
本作のヒロインが既婚者でありながら、次々と男を乗り換えていく姿は不謹慎なものに映るでしょう。
でも、ぬるま湯のごとき思惑や秩序から解放され、本能的な欲求に突き動かされる姿は、とても人間的で生命力に満ちています。
あからさまに劣情を刺激する描写は封じ、村山文学の気品を損なわない上質な官能ドラマに仕立て上げるべく、スタッフとキャストが一丸となって精魂を注ぎ込んでいます。
視る人の性愛に対する琴線を震わせる、もの狂おしいドラマとなるはずです。ご期待ください。