トップへ

中平卓馬の「氾濫」展開催、40年前の巨大インスタレーション作品を再現

2018年02月22日 10:53  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

「氾濫」展示風景/1995年/東京国立近代美術館
2015年にこの世を去った写真家中平卓馬の「氾濫」展が、CASE TOKYOで開催される。会期は3月10日から4月14日まで。

 「氾濫」は、1974年に東京国立近代美術館で開催された「15人の写真家」展に中平が制作・出品した48点のカラー写真からなる横6メートル、縦1.6メートルにおよぶ巨大なインスタレーション作品。壁を這う蔦や、路上のマンホール、大型トラックのタイヤ、ガラス越しにみる水槽の鮫、地下鉄構内など、中平が日々遭遇する都市の断片が捉えられている。
 同展では作品集「氾濫」の刊行に合わせ、スペース内の壁面にインスタレーションを再現。制作から40年以上を経たいま、中平の写真的思考と実践を改めて読み解くという。
 中平卓馬は東京で生まれ、東京外国語大学スペイン科を卒業後、雑誌「現代の眼」編集者を経て、60年代半ばから写真を撮りはじめる。68~69年には多木浩二、高梨豊、岡田隆彦、森山大道とともに写真同人誌「プロヴォーク」を刊行。77年に篠山紀信との共著「決闘写真論」を刊行直後、病に倒れて記憶の大半を失うが、翌年から撮影を再開した。没後の2017年にはシカゴ美術館で「Circulation」展、台北で「中平卓馬」展が開催され、評論集の翻訳出版も進行されている。
■中平卓馬「氾濫」展会期:2018年3月10日~4月14日 11:00~19:00 ※日月祝休会場:CASE TOKYO住所:渋谷区渋谷2-17-3渋谷アイビスビルB1料金:無料