落語家の桂春蝶さん(43)が2月20日、貧困は自己責任であるというツイートをし、ネット上で炎上する事態となった。
「世界中が憧れるこの日本で『貧困問題』などを曰う方々は余程強欲か、世の中にウケたいだけ。この国では、どうしたって生きていける。働けないなら生活保護もある。我が貧困を政府のせいにしてる暇があるなら、どうかまともな一歩を踏み出して欲しい。この国での貧困は絶対的に『自分のせい』なのだ」
「障害や重病で思うように働けないのは自分のせいなのですか?」
典型的な自己責任論ではあるが、関西でレギュラー番組を多数持つ人気の落語家、ということもあり、非難が殺到した。
「障害や重病で思うように働けないのは自分のせいなのですか?上司のパワハラで鬱になり働けない人は自分のせいなのですか?」
「自分の親の経済状況や、生まれてきた時の環境を自分で選べない以上、『絶対的に自分のせい』とは、言えない」
貧困に陥る事情は人それぞれだ。障害や病気で貧困に陥ったとしても、「自分のせい」だと言えるのかということだ。生活保護についても、
「生活保護を申請して断られて亡くなった人がいるの、ニュース見てないですかね」
「生活保護が誰でも受けられるなら苦労しない」
という指摘があった。生活保護は"水際作戦"で申請が阻止されることも多く、受給する資格のある人のうち約2割しか利用できていないという現状がある。
他にも、「子どもの貧困も自己責任なのだろうか」「シングルマザーの貧困とかもかなり問題になってると思うんだが」と批判が殺到している。
また、春蝶さんが父親から「桂春蝶」を襲名しているため、「少なからず親の威光のある叩き上げですらない落語家が言うことではないと思います」「世襲政治家の政府を世襲落語家が絶賛する新しいタイプの大衆演芸」という批判も上がっていた。
「この世界は奇跡の連続で、感謝して歩むべきだという福音だったの」
こうした批判を受けて、春蝶さんは翌21日に、
「さっきの投稿に痛烈な批判が多かったんだけど、まあ仕方ない。分かりにくい内容だったから。言いたかったのは、人は生まれながらに苦悩を抱えていて、だからこそ生きられるこの世界は奇跡の連続で、感謝して歩むべきだという福音だったの。そしてその環境がこの国は整っている…そう言いたかった」
と投稿し、釈明している。また、自身も貧乏だったが何とかなった、そんな日本は素晴らしいと改めて主張している。
「僕は20歳から10年間、家賃2万円台のアパートで住んだ。それでも金がなくて、家賃を滞納したりした。当時は仕事が本当になかったから。ほとんど毎日がチキンラーメンかコーンフレークやった。それでも生きれた。芸人風情でも何とかやっていける日本は素晴らしい」
芸能人が社会問題について言及して炎上、といったことは度々起きるが、つい先日も松本人志さんが「ワイドナショー」でネットカフェ難民に「ちゃんと働いてほしい」とコメントし物議を醸していた。春蝶さんはこれについて19日、
「松本人志さんや、番組・ワイドナショーを叩いてる方々のツイート見たら、結局単なる『反安倍』の人たちなんですよね。これ何の発展性もないなあ。全く思想的でない人たちが批判してたら価値があるんだろうけど。戦後形成された左翼思想って、いつになったら潰えるんだろうか?もううんざりですわ」
とツイートしていた。