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10年ぶり復活のホンダワークス、チームHRC。2018年は「憎たらしいぐらい強いHRC復活に向けた序章」と宇川監督

2018年02月20日 14:02  AUTOSPORT web

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チームHRCの監督を務める宇川徹氏
ホンダのワークスチーム、チームHRCの指揮を執る宇川徹監督に、10年ぶりにワークス体制で挑む全日本ロードレース選手権JSB1000クラスと鈴鹿8時間耐久ロードレースへの意気込みとチームの準備状況、エースライダーの高橋巧について聞いた。

 ホンダがワークスチームとして全日本最高峰クラス、そして鈴鹿8耐に参戦するのは2008年以来10年ぶり。宇川監督は「ワークス復活というのはすごく嬉しいことです」と次のように語った。

「自分が幼少期にチームHRCへ憧れていたように、これから出てくる若者が憧れるチームが出てきたというのはすごくいい。やっぱりワークスチームがあるとライダーもワークスチームに入ろうと努力するというのもありますからね」

「レースを見るお客さんとしても、自分の好きなメーカーがワークス(チームを持っている)というのはとても重要だと思います。全日本(ロードレース)も4メーカーが大きくかかわってるので、(チームHRC復活は)いい方向じゃないかなと思います」

 ホンダのワークス復活の知らせは2017年12月中旬ごろに届いた。そこから現在までどのくらい準備が整っているのだろうか。

「(チーム復活が2017年の)12月に決まり始動したばかりで、開幕戦に向けて準備を進めているところです」と宇川監督。

「僕も監督就任を言いわたされたのが12月くらいなので、いまはチームの準備をするのに1番忙しい時ですね」

 チームのエースライダーとなる高橋について「(高橋は)おっとり系なんでね。ですが、内に秘めたる闘志みたいなものを感じますよ」と印象を明かす。

「おっとりしてますけど、内に秘めてるものはすごく熱い感じがします。全日本でチャンピオンになりましたし、SBK(スーパーバイク世界選手権)でもポイントを獲っているので実力はある」

「(高橋に対して)僕がやらなきゃいけないのは、(高橋が)安心して走れるチームを作ることですよね。頑張らなきゃいけないのはライダーなんで、ライダーがしっかりと頑張れる環境を作るというのが重要です」

(全日本ロード)JSB1000は4月7日に栃木県のツインリンクもてぎで開幕を迎える。ホンダとしてはヤマハのワークスチームを意識するだろうが、このことについて宇川監督はどう考えているのだろうか。

「やはりヤマハのファクトリーライダーふたりはかなり手強いと思うので、もちろん(意識するのは)そこですけどね。参戦1年目はいろいろ大変だと思いますが、チームをまとめて、(高橋)巧を信じてマシンをいい方向に持っていき、やるべきことをしっかりと進める。オールホンダ、チームHRCとしてみんなで乗り切りたいと思います」

 また全日本ロードに加え、チームHRCは鈴鹿8耐にも参戦する。鈴鹿8耐でもチームを率いるのは宇川監督だ。ワークス体制で挑む鈴鹿8耐については「鈴鹿8耐は3人で組まなければなりません。速いだけでは駄目ということは、僕が9回鈴鹿8耐を戦ってすごく痛感しています」と話す。

「(鈴鹿8耐の)ライダーを起用する時などは、ライダー目線で(候補者を)見れると思っています。緊張感のあるテストができてるかや、ライダーの協調性などは、テストを見ればわかります」

「自分の経験で得た人選なり戦術なりのノウハウをチームに落とし込んでいきたいですね」

「とはいうものの、僕は監督の経験がないのでね。HRCには歴代の監督がたくさんいますし、僕が走って勝ったときのチーム監督もいまHRCにいますので、その人たちからの助言ももらいながらやっていきたいです」

「自分が現役の頃で言うと吉村平次郎監督がいるだけで緊張感がありました。僕は緊張感があるのは大事だと思いますので、その辺は見習いたいです。でも僕はあそこまで強面じゃないので(笑)。うまく自分のキャラをチームで出せたらと思います」

 新生チームHRCを率いて2018年シーズンのJSB1000と鈴鹿8耐に挑む宇川監督。最後に「(高橋に2017年まで所属していた)ハルク・プロさんの方が良かったなんて言われちゃったら僕ら終わりなんでね。まずはそこを超えること。あとは、2018年シーズンは僕が幼少期に憧れた憎たらしいぐらい強いHRC復活に向けた序章だと思っているので、それを一歩ずつ復活させていきたいです」と強く意気込んだ。

 ちなみに、チームHRCが使用するホンダCBR1000RRのお披露目は3月10日から鈴鹿サーキットで開催する『2018モータースポーツファン感謝デー』で行われる予定だ。