2月15~18日に行われたWRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデンに3台のシトロエンC3 WRCを送り込んだシトロエン・レーシングは、クレイグ・ブリーンが総合2位を獲得する活躍をみせた。
シリーズ唯一のフルスノーイベントであるラリー・スウェーデンに、シトロエンはレギュラーのクリス・ミーク、ブリーンに、スポット起用したマッズ・オストベルグを加えた3台体制で臨んだ。
これまでのWRCベストリザルトは総合5位だったブリーンは、SSへの出走順が9番目と後方だったこともあり初日から快走。競技2日目を終えた時点でトップと12.6秒差の総合4番手につける。
その後もランキング上位陣が降り続く雪に苦しめられるなか、ブリーンはペースを緩めることなく走行。計3ステージでトップタイムをマークして自身最高位となる総合2位表彰台を射止めた。
また、2015年以来にシトロエンへ復帰したオストベルグは、乗り慣れないC3 WRCを巧みに操り、一時は表彰台争いにも加わった。その後はライバルに遅れを取りポジションを落としたものの、総合6位に食い込み、チームに貴重なポイントを持ち帰っている。
1月の第1戦モンテカルロで総合4位を獲得していたミークは、チームメイトと比べてSS出走順が早かったこともあり、コースの“雪かき役”を強いられペースを上げられず。
競技2日目には、コース脇の雪だまりに衝突してエンジンのターボを破損。デイリタイアを余儀なくされたため、ポイント圏外の総合32位フィニッシュとなった。
■「マシンが高いポテンシャルを持つ証」と代表。オストベルグとの契約更新も検討か
チーム代表のピエール・ブダールは「シトロエンC3 WRCが高いポテンシャルを持っていることの証だ」と第2戦スウェーデンの結果を評価する。
「2017年のラリー・スウェーデンと比較すれば、我々が取り組んできたサスペンションジオメトリーやダンパー、トルク配分の見直し、センターディファレンシャルのセッティング変更などが有効的かつ効果的だったことが分かる」
「今後はマシンが幅広いコンディションに対応できるよう、継続してセットアップの見直しや改善に取り組まなければならないね。今回の結果はそれを象徴する結果でもある」
「また久しぶりにチームへ加わったマッズ(オストベルグ)は、マシンの習熟が充分ではないにもかかわらず、素晴らしい活躍をしてくれた。マシンのセットアップについても、今までにはなかったアプローチで、クレイグ(ブリーン)にもいい影響を与えたと思う」
「このあとも、こういった経験を共有できないか模索していきたい」
「クリス(ミーク)については、小さなミスで大きく順位を落とす結果になったが、運がなかったとしか言いようがない。ただ、いい面に目を向ければ、ミークは2017年に勝利した(第3戦)メキシコで出走順が遅くなり有利な状況で臨めることになる」