メルセデスF1チームのバルテリ・ボッタスによると、彼はコクピット保護デバイス「ハロ」を装着したW09のシミュレーターでレースシミュレーションを行い、その間、ハロが目障りだと感じたりすることはなかったという。
2018年のマシンへのハロの取り付けは、全てのF1チームが直面する技術的難題となっている。一方、ドライバーの観点から言うと、昨年行われたコース上でのテストでは、彼らの大半が特に視界の妨げにはならないと報告していた。
そして、先日メルセデスのシミュレーターで作業をしたボッタスは、あらためてそうした報告を裏付ける意見を述べた。
「ハロを装着したシミュレーターで完全なレースシミュレーションをしたが、正直なところ、レース中はハロのことなどすっかり忘れていた」と、ボッタスは言う。
「いったん慣れてしまうと、もうあまり気にならなくなる。観客にとっても、おそらく同じだろうと思うよ」
「最初のうちは、目新しいものだし、違和感があるかもしれない。実際、あれがどうしても好きになれないという人もいる。だけど、少し時間が経てば、みんな慣れてしまうと思う。それに、大きな怪我であれ軽い怪我であれ、これによってたった一度でも誰かが負傷するのを防げるのなら、このデバイスには意味がある」
ウイリアムズの技術部門を率いるパディ・ロウも、ボッタスと同様の見方を示し、昨年大きな議論を呼んだこの保護デバイスも、ほんの数レースもすれば、誰もその存在を気にしなくなるだろうと語った。
「F1においてドライバーの頭部は、いまだに大きなリスクが残る領域だ。以前から私は、それを改善する試みを熱心に支持してきた」と、ロウはロイター通信社に対して述べた。
「シーズンの2戦目には、もう誰も気にしなくなっていると思う」
またロウは、このデバイスの果たす役割は、審美的な問題よりもはるかに重要なものだと主張した。
「過去2年間で、大まかに言って年に一度くらいは、『ハロがなくても無事だったのは本当に幸運だった』と言うほかない出来事を目にしてきた」
「誰かについて、『今までは運が良かったが、とうとう不運に見舞われた』と言うことがなくなるのは、もはや時間の問題だと思う。その意味において、ハロはとても良いプロジェクトだ」