ウイリアムズの2018年のニューマシン、FW41が発表されたが、残念な点があった。フロントサスペンションのアレンジメントが昨年と変わっていないように見えたことだ。
昨年同様の足回りではサスペンションストロークが取れず、セッティング幅を小さくなる。もともとプッシュロッドのアップライトマウントを使っていないチームなので、FW41になってもハードフロントを堅持しているのはうなずけない。
それに、フロントライドハイトの制御をハードなサスペンションで賄うのは若干、近年のトレンドに反する。ただ、これは今シーズンのタイヤコンパウンドが柔らかく設定されていることを考慮して、敢えてハードな方向を踏襲しているとも考えられる。
サスペンション以外で目に付いたFW41の特徴的な部分としては、短くなったサイドポッドが挙げられる。今まで以上に低く狭くコンパクトに成形されたバックエンドは好ましいし、ポッドサイズから、インタークーラーが液冷になった可能性もありそうだ。
これは昨年、メルセデスからウイリアムズに移籍したパディ・ロウが、メルセデスのマシンで攻めた部分なので充分に可能性が高い。
パディ・ロウは軽量化と重量配分、そして過激なエアロ進化を語るが、フロアフロント部はフェラーリとメルセデスのデザインに追随した結果に見える。特にフロア先端サイドエッジのプレートはメルセデスのカモメ・カナードと同様にマウントしており、さらにリーディングエッジのスラットもフェラーリ的。メルセデス&フェラーリのトレンド融合マシンのように見え、何とも評価しがたいところだ。
ただ、ウイリアムズは昨年まで、数年続けてマシン造りに大きな変化が見られなかっただけに、大幅なエアロの進化を狙ったFW41にはそれなりの期待感は持てそうなのだが、果たして……。