3月の就職活動解禁を目前に控え、大学3年生はどのような企業への就職を希望しているのか。人材紹介を行うディスコは2月15日、2019年卒予定学生の「2月1日時点での就職意識調査」の結果を発表した。
調査は2019年3月に卒業予定の現在大学3年生の学生を対象に実施。2月1日~6日の間に行い、1146人から回答を得た。
「志望業界が明確に決まっている」と答えた学生は35.5%で、1月調査時点よりも8ポイント上昇。志望業界のトップは「情報・インターネットサービス」で、前年同時期には一番人気だった「銀行」は4位まで順位を落とした。
就活解禁前でも、すでに3人に1人が「本選考を受けた」
志望業界を40業界から選んでもらうと、前月調査に引き続いて「情報・インターネットサービス」(17.2%)が1位だった。2位以降には、「素材・化学」(16.8%)「水産・食品」(16.6%)、「銀行」(16.2%)が続く。「銀行」は1月時点の調査で2位に順位を落としたが、今回はさらに4位まで転落した。
銀行業では、最近メガバンクを中心にリストラを進める動きが出ている。昨年11月には、みずほフィナンシャルグループが2016年度末までに1万9000人を削減すると発表。三菱UFJフィナンシャル・グループは9500人、三井住友フィナンシャルグループも4000人分の業務量を将来的に削減していくという。こうしたことが就活生の指向にも影響していることが考えられる。
2月1日時点の本選考受験状況と内定状況も聞いた。インターンシップ選考を除外した本選考の受験状況を聞くと、「本選考を受けた」と答えた学生は31.8%。選考先企業としては、外資系コンサルファームやマスコミ、IT企業等が挙がる。
すでに「内定を得た」と回答した学生は4.6%で、前年同時期の調査(4.2%)より微増。また、「エントリーしようと決めている企業がある」と答えた学生は89.0%に上り、今年1月調査(83.1%)よりも増えている。しかし、エントリーを決めている企業の社数は、2018年卒が12.4社に対して、2019年卒が9.5社と減少している。学生が企業を絞り込む傾向が進んでいるようだ。
「売り手市場は『職を選ばなければの話』」と不安の声
就活本格化を前に、どのような不安を感じているかを聞くと、「希望する企業に内定をもらえるか」が74.3%で最も多く、「内定をもらえるか」(66.5%)が続いた。前年同時期に2018年卒を対象にした質問の答えでは「内定をもらえるか」が不安の1位で、「希望する企業に内定をもらえるか」が2位だったが、2019年卒では順位が入れ替わった。売り手市場を反映してか、2019年卒の学生は内定獲得そのものよりも、希望する企業の内定が得られるかを意識する傾向がある。
これまでの就活準備状況を質問すると、「自己分析」(79.2%)が最も多く、「業界研究」(73.0%)、「学内のガイダンスに参加」(72.7%)が続いた。昨年11月時点の調査で得られた数字と比較すると、「業界研究」の伸びは11.1ポイントに対して、「企業研究」は13.7ポイントと、業界全体のみならず志望する企業へ具体的な調査を行う学生が増えた。
就活準備状況や不安について学生からは、
「売り手市場とは言われているが、それは結局のところ『職を選ばなければ』の話であるため、気を引き締めて就職活動をしたいと思う」(理系男子)
「自分がいまやっていることで準備が十分であるか不安になる」(文系男子)
などの声が寄せられている。