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瀬戸康史は女性にとって“最強の味方”だ! 『海月姫』蔵之介役が絶賛されるワケ

2018年02月19日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

 フジテレビ月9ドラマ『海月姫』の主人公はクラゲオタク女子、倉下月海(芳根京子)だが、そのヒロインを差し置いて、彼女にオシャレの楽しさを教える鯉淵蔵之介役、瀬戸康史の可愛すぎる女装が話題となっている。


参考:安達祐実の子役から衰えぬ姿に賞賛! 『海月姫』脇役たちの輝きがスゴい


 本作は、テレビアニメ化および実写映画化もされた東村アキコ原作の大人気コミックのドラマ化であり、登場人物はそれぞれに型破りで個性的だ。クラゲをこよなく愛し、「天水館」というアパートで自分の世界に引きこもりがちな生活をしていた月海が、クラゲをきっかけにファッション好きで女装もするイケメン男子の蔵之介と、大物政治家の父の秘書を務める堅物エリート男子の修(工藤阿須加)と出会い、新しい生き方を見つけていくというこの物語。


 人気漫画原作ゆえ、ほかのキャラクターと同様に蔵之介の女装は美しいことが大前提であるが、瀬戸康史のメイク、ドレスの着こなし、ミニスカートを履くと目立つ美脚を絶賛する声はストーリーが進むにつれ、大きくなっている。


 第5話では、月海にとって思い入れのあるクラゲをイメージした“クラゲドレス”に身を纏った瀬戸の艶やかさ、その可愛い雰囲気のまま、修を見つめる月海に言い放った「俺を見ろ」という言葉のギャップに心を射抜かれる女性が続出。その後の不意打ちのキスシーンで完全に心を持っていかれたようだ。少女漫画の王道のラブストーリーのときめきを放ちながらも、オタク道を突き進む。この振れ幅が新鮮な印象を残す。


 今後、気になるのは月海をめぐる兄の蔵之介と、弟の修の三角関係だ。男子禁制の「天水館」で月海がオタク女子友だち「尼~ず」の仲間と「男を必要としない人生」を信条に共同生活を送っているが、少女漫画の世界でも女の子が幸せになるためには、自分がお姫さまになったとしても、“王子さま”の存在意義が問われている。『海月姫』において、議員秘書でありエリートで真面目な修が“白馬に乗った王子さま的”であるのに対して、自分のコンプレックスを揺さぶりもするが、全面的に応援してくれ、自信を持たせてくれる蔵之介は変化をもたらす“魔法使い”のような存在なのだ。


 多くの女性が持つ「ありのままの自分を認めてほしい」という願望と「もっとキレイになりたい、もっと愛されたい。そのために変わりたい」という矛盾するもうひとつの願望。そのどちらもまとめてバックアップしてくれるのが女装男子である蔵之介であり、「女の子はみんなお姫様になれる」と言った月海の母の言葉を叶えるために必要なのかもしれない。


 蔵之介の女装の背景には男ウケも女ウケもなく、父親への反発と母親への特別な想いが絡んでいる。また、ファッションが好きな自分の正直な気持ちの表れでもあり、媚びたところが微塵も感じられない。女装することで潔さ、自分を貫く強さまで伝わるところに熱い視線が集まる。蔵之介は、ただ恋愛のときめきだけを与えてくれるだけではなく、自分を強くしてくれる味方であり、手を差し伸べて進む道を示してくれる誰かを求めている。少し欲張りな女性にとって、凛々しいパワーを秘めた蔵之介は最強の味方に感じられるのだ。(池沢奈々見)