2018年のWRC世界ラリー選手権に3台体制で挑んでいるTOYOTA GAZOO Racing WRT。第2戦スウェーデンの競技3日目は思うように順位を上げられず、エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)の総合6番手が最上位となっている。
前日、早いステージ走行順が影響し大きく順位を落としたトヨタ陣営。競技3日目も降り続ける雪に足元をすくわれる形となった。
総合9番手で競技3日目に臨んだオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)は比較的コンディションに恵まれた午前中に行われたSS9~10で最速タイムを記録。SS11でもステージ2位を獲得して実力を発揮。
しかし、多数の車両が走行して路面コンディションが悪化した午後のステージではペースを上げられず。SS13では先にステージをアタックしていたマシンを交わす際に接触するアクシデントもあり、30秒ほどタイムロスして、最終的にトップから3分40秒以上遅れた総合9番手となった。
チームメイトのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は、マシンのディファレンシャルに不具合があったと言い、総合7番手。WRC最上位クラスで初のラリー・スウェーデンに臨んでいるエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)はSS10でステージ3位、SS16でステージ2位を獲得し、総合6番手までポジションを上げている。
■マキネン「積雪などの要因で上位陣が不利な戦いを強いられるのは残念」
「路面コンディションの影響により、今日も本当のパフォーマンスを発揮することができなかった」と語るのは、チーム代表のトミ・マキネン。
「午前中は良かったが、午後の再走SSが始まる前にヒストリックカーの走行があり、午後はコンディションが変わるだろうと予想していたんだ。そして、実際その通りになってしまった」
「大量の積雪と、そのほかいくつかの要因によって、選手権で上位につける選手たちが不利な戦いを強いられているのは残念に思う。とても不運な状況だと言わざるを得ない」
「しかし、我々の選手は全員いい走りをしていると思うよ。エサペッカは安定していいタイムを記録し、順位をさらに上げることも可能だと思っている」
「また、路面のコンディションがよければ、最終SSのパワーステージで我々は多くのポイントを獲得することもできるはずさ」
トヨタ勢最上位につけるラッピは「昨日と同じようなペースを保ち、大部分のSSで5位以内のタイムを出せるようにコントロールしたけど、それがうまく行き非常に安定した走りができた。サービスではクルマに少し変更を施したが、それが奏功し轍(わだち)が刻まれた道でも安定して走ることができたよ」とコメント。
またラトバラとタナクは「パワーステージでポイントを獲得できるチャンスがある」とステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるSS19への期待を示した。
2018年のラリー・スウェーデン最終日となる18日はサービスパークが設けられたスウェーデン・トルスビューを中心にSS17~19が行われる。
このうちSS17~18が設定されたリケナスは2017年にラトバラとタナクが激しい総合優勝争いを展開した地。また、上述のとおりSS19はボーナスポイントが付与されるパワーステージだ。
全3SS合計の走行距離は51.94km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は203.21kmとなっている。