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WRC:出走順と新雪に苦しめられたトヨタ。「こんな思いもしない展開は初めて」とマキネン

2018年02月17日 11:52  AUTOSPORT web

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ステージの走行順に苦しめられたオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)
2月16日に行われたWRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデンの競技2日目に挑んだTOYOTA GAZOO Racing WRT。前日はワン・ツー体制を築いたトヨタ勢だったが、この日はコースの出走順に苦しめられ、大きくポジションを落とすことになった。

 シリーズ唯一のフルスノーイベントであるラリー・スウェーデン。競技2日目はスウェーデンと隣国ノルウェーを舞台に8SSが行われた

 現行のレギュレーションでは、現地金曜日の走行はドライバーズランキング順にコースを走行する。そのためランキング上位のドライバーはコース上の砂利や雪を取り除く“清掃役”を強いられる。

 このラリー・スウェーデンも例外ではなく、出走順の早いドライバーは除雪車のような役目を負うことに。現地では雪が降り続いたこともあり、ランキング上位のセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)をはじめ、オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)などは苦戦を強いられた。

 15日(木)のSS1で総合首位につけていたタナクは、SS2でステージ最速タイムを記録する活躍をみせたが、SS4以降はペースを上げられず。徐々に順位を落とす展開となり、総合9番手で走行を終えた。

 また、前日総合2番手だったラトバラも新雪に苦しめられ、総合8番手だった。

 残るエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)は出走順が7番手と比較的遅かったこともあり、上位へ進出。SS5終了時点ではトップと2.1秒差の総合2番手につけた。

 しかし迎えたSS6で、ジャンクションを曲がりきれず雪壁に衝突してしまう。このクラッシュでエアフィルターに雪が詰まってしまい、エンジンパワーが低下。このステージで約30秒のタイムロスがあり、総合7番手までポジションを落としている。

■「幅広のスノータイヤにより、昔よりタイムロスが大きい」とマキネン

 チーム代表のトミ・マキネンは「1日を通してフルにSSが行われる最初のデイが、このような思いもよらぬ展開になったのを初めて見た」と厳しい展開となった2日目を振り返る。

「今日のSSのタイムを見ただけでは、前戦のラリー・モンテカルロで一体誰が活躍し、誰がそうでなかったのかきっと分からないだろう」

「現在のラリーカーは以前よりも幅が広いスノータイヤを装着するため、コースクリーニングを担うことによるタイムロスは昔よりも大きくなっているんだ。オットやヤリ-マティなど、現在選手権の上位にいる選手たちにとっては、フラストレーションが溜まる1日だっただろう」

「エサペッカは明日のデイ3でトップを狙える良い位置につけていたが、残念ながら小さなミスで遅れをとった。それでも、このような状況で彼はいい走りをし、自信を示した」

「明日は上位につけている選手の出走順が今日とは逆で後方になるため、彼らにとってはより有利な展開になり得る。ただし、それでもラリーはまだ2日間残っているので、何かが起こる可能性はあるよ」

 総合首位で競技2日目に臨んでいたタナクは「コース上には大量の雪があり、外から見ている分にはいいが、走る立場からすると大変で、タイヤのグリップがまったく感じられない状態だった」とコメントしている。

 17日の競技3日目はサービスパークのあるスウェーデン・トルスビューを中心にS9~16の8SSが行われる。8SS合計の走行距離は120.31km、リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は545.25kmだ。