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【津川哲夫のF1新車チェック】真摯な姿勢が見える基礎力増強マシン、ハースVF-18

2018年02月16日 20:21  AUTOSPORT web

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発進3年目の新興チーム、チャレンジャーであるハースが繰り出した2018年シーズンのニューマシンがVF-18だ。パワーユニット、ギヤボックス、アップライト、サスペンション等々、フェラーリから供給を受け、そこに独自のエアロとダラーラに製造委託したモノコックを使って組み上げられている。

 今シーズンのウリは軽量化。フェラーリ供給パーツを除いた、ほとんどの部分で軽量化が施されていると言う。軽量化の目的はもちろん、バラスト搭載量の増加と重心位置の低下。特に今シーズンから義務搭載のハロのシステムは安全面で効果が期待できるが、いかんせん重く(約14kg)、車体上部に位置するため重心、そしてロールセンターにも大きな影響を及ぼす。

 さらにハロはエアロにも極めて干渉してしまうのが難点だ。そのエアロ、これまでの比較的グラマラスな体形だった前年型から、今シーズンのVF-18では大幅なダイエットに挑戦し、それなりの成功を見せている。

 特にナローコンパクトで若干後退ぎみのサイドポッド下部のアンダーカットは、いかにも空力効率が良さそうで、これに伴い、フロアフロントも大きくモディファイされた。

 サイドポッドは後方へ向かって狭く低く細くなり、バックエンドのエアロ効率の増加が狙われている。もともと、昨年型はエアロと重量配分に起因するセッティングレンジの狭さの弊害として、ブレーキトラブルやタイヤ、アンダー・オーバーステアーなどの管理の難しい状況を生み出していた。

 そこでVF-18では車体の基本要素、軽量化・重量配分、そしてエアロバランスの適正化を狙い、セッティングのレンジを広げる開発が進められたのだ。

 今シーズンのVF-18開発コンセプトはフェラーリのパーツ利用と言う、与えられた範囲内での基礎力増強が中心を成している。それでも、他の商業チームにない真摯な開発姿勢が見て取れる、と言っては褒めすぎか。