2月15日に開幕した2018年のWRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデン。2017年大会で優勝を飾っているTOYOTA GAZOO Racingは、競技初日にオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合首位につけ、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合2番手に続く好スタートを切った。
第1戦モンテカルロで総合2位、3位を獲得し、チームランキングで同率首位につけているTOYOTA GAZOO Racing。迎える第2戦スウェーデンは2017年にWRC復帰後初優勝を飾った思い出の地でもある。
大会は現地15日(木)の午前中にシェイクダウンが行われ、トヨタ陣営のドライバーたちもマシンセッティングを確認。タナクが陣営最上位の5番手タイムを記録した。
競技は同日夜にサービスパークから約100km南に位置するスウェーデン・カールスタードで幕開け。2台が同時走行するスーパーSSとなったSS1は、全長1.9kmと短いステージながら、コース幅が狭いこともあり、例年多くのドライバーがマシンにダメージを負う難関ステージだ。
ナイトステージで視界も制限されるなか、タナクは1分32秒7のタイムで総合首位に浮上。ラトバラも危なげない走りでSSを走りきり、タナクと0.3秒差の総合2番手につけた。
残る若手のエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)は、ライバルと比べて経験が少ない点が影響したか、最終コーナーの立ち上がりでオーバーランしてしまいわずかにタイムロス。マシンにダメージはなかったが、タナクから2.2秒遅れの総合8番手につけている。
■「去年優勝してから改善を続けてきたが、それはライバルも同じ」
チーフエンジニアのトム・フォウラーは「今晩のスーパーSSでは1、2番手タイムを刻むなど良いスタートになったが、本当の戦いは明日から」と気を引き締める。
「朝のシェイクダウンは、高速セクションと低速セクションがあり実際のラリーのSSと似たようなコースだったから、プレイベントテスト後に実施したいくつかのセッティング変更を確認する場として活用した」
「すべてのクルマはそれぞれ異なる時間帯に走行したから、タイムはあまり参考にならないが、自分たちのパフォーマンスには満足しているよ」
「去年、このラリーで優勝した後、我々は改善を続けてきたが、他のチームもそれは同じだと思う。気を引き締めてラリーに臨みたい」
総合首位につけたタナクは「明日からの天気次第でベストなセットアップは変わるため注意する必要があるけど、クルマは良いフィーリングだ。明日から始まる、ラリー・スウェーデンらしいコースを走るのが今から楽しみだよ」とコメント。
今大会で通算5度目のラリー・スウェーデン制覇がかかるラトバラは「最初のSSで速いタイムを刻むことができ、とても良いスタートになったから、この調子を保ち続けたい。シェイクダウンのコースは、明日以降のSSとよく似ていて、セッティングを少し変更したところクルマのフィーリングはとても良くなった」と述べている。
競技2日目となる16日(金)はサービスパークが設けられるトルスビューのサービスパークを中心にSS2~8の7SSで争われる。
このうちSS2~3、SS5~6は隣国ノルウェーが舞台となるほか、SS4/7はスウェーデンをスタートし、途中ノルウェーへ入国、フィニッシュはふたたびスウェーデンで迎えるという2カ国をまたぐステージ構成が特徴だ。
全7SS合計の走行距離は140.1km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は548.1kmとなっている。