仕事ができない・やる気のない後輩には、ついイラッとしてしまうものだ。しかしそこで怒りを直接ぶつけてしまうと、かえって面倒なことになる。はてな匿名ダイアリーに2月11日、「なに泣いてんの?」とのタイトルで投稿した人物も、そんな事態になった一人だ。
仕事ができない後輩に雑用程度の仕事を頼んだら、「えー、私がやるんですか」と言われ、イラッと来たという。
「そういう反応はどうかと思うよ、そういうところが良くないんじゃないの?」
と指摘し、「だいたい君は」「なんで気付かないの?」などを挟みつつ、次々に「やる気が見えないダメなところ」を挙げて叱ったところ、相手は泣き出してしまった。(文:okei)
「いや泣かせようとしてやってんだろこれ」「怒り方が悪い」
泣き出した後輩を見て投稿者は、「なんなの?いまの新卒ってこんなレベルなの?」と胸中を吐き出している。今でも腹に据えかねているのだろう。
ブックマークは500近くつき、物議を醸している。まず、これは「パワハラだ」という批判が多かった。
「いや泣かせようとしてやってんだろこれ。お前パワハラで #MeToo されんぞ。ちなみに『何も教えたくなくなるよね?』『そこで同期と差がついたんじゃないの?』がアウトな」
また「職場で感情的に行動するバカ、まだこの世にいるのか」という非難や、
「いっぺんにこんなに言ってはいけない。最も言わなくちゃいけない事を2文節までだ」
「怒り方が悪い。新卒は最初が肝心だから貯めてから怒るんじゃなくて、随時軌道修正してあげないと」
など、仕事を振ることも職能のひとつで、投稿者にはそれが不足しているという指摘も多い。
「否定から入るタイプを相手してるとメンタルしんどいぞ」
一方で、「わかる。泣きたいのはこっちだっていう」と理解を示す反応も少なくない。
「いきなり否定から入るタイプを相手してると結構メンタルしんどいぞ」と共感する人は、「何でもイヤイヤダメダメ言ってるやつは相手のやる気を削いでることにも気づいて欲しい」と続けた。
確かに、仕事が出来ないだけならまだしも、やる気がない人の存在はそれだけで職場の士気が下がってしまう。ガツンと言ってやりたくなる気持ちもわからないではない。
ただ、いくら投稿者が正しくても、残念ながらこの場合「上の立場」「言い過ぎ」「泣かせた」ということで、評価は下がってしまうだろう。その証拠に、コメントの多くは「パワハラ」批判である。職場で感情的になってしまえば、不利益を被るのは自分なのだ。
イラッとしても、アホと戦ってはいけない
ところで、『頭に来てもアホとは闘うな!』(田村耕太郎/朝日新聞出版)という本に、こんな言葉がある。「無駄な戦いを繰り広げる人の特徴」として、「おせっかい」があるという。
「親切にもアホを是正しようと思ってしまうのだ」
「残念ながら、すでにいい年になったこういう人物を正すのは不可能である」
「美しく論破されたら、あなたに対する恨みが増すだけだろう」
だから、「アホと戦うのは人生の無駄」と説いている。どちらかというと嫌な上司や同僚に対する気持ちをコントロールするための指南書なのだが、あらゆる対人関係に通じるものがあるのでお薦めしたい。
イラッとしても、感情を抑えて目的(この場合は仕事)を達成する術を、いまどきの社会人は持っていなくてはならないのだ。