僕は18歳でパチンコ屋の社員になったので、台の仕組みを学ぶために自費でパチンコ屋に出入りをしていた。今はパチンコはしないものの、パチスロはする。が、あんなもんどっちも一緒で、やらないに越したことはない。
ただ、僕はお金に余裕があるときしか打たないので、パチンコをやめたいと思ったことはない。しかし、お金は僅かに懐に入っても、かけがえのない時間は無駄にしている。実に愚かなことだ。ましてや世間にいるパチンコ打ちの大半は、時間に加えてお金まで失くしている。(文:松本ミゾレ)
「子どものため」ってかなり重い理由のはずだけど……
パチンコをやめられない人は依存症状態になっているわけで、これはもう、実際にパチンコ屋に出入りしている人間でなければ理解できない(しなくていいけど)苦しみである。
パチンコをしたいけどお金がないとか、パチンコをしたくて仕事も手に付かないといった極限状態に苦しむ人が、現実にいるのだ。そしてここからが本題だ。先日「ガールズちゃんねる」という婦女子の集う掲示板に「パチンコをやめたい」というトピックを立てる人物が出現した。
この人物、恐らく女性なんだろうけど、パチンコに随分精神をやられているものの、どうにか脱却したいと考えているようで、「子供のためにやめたいです。やめる方法とか、あったら教えてください」と書き込んでいる。
親がパチンコ好きというのは、限度の差はあれどあまり好ましくない。スッパリやめておくに越したことはないんだけど、個人的にすごい違和感をおぼえるトピックではある。
というのも、子どものためにもやめたいとか言いつつ、ネット掲示板でその方法を他人に聞こうとしている甘さが、どうしても見過ごせないのだ。だって子どものためって、やめる理由としてはかなり強いものだ。
それでもやめられないということは、これは大変に重症であることの証左だ。そう、一見すると子ども思いだが、実はゴリゴリの依存症患者の声なのである。
「パチンコに行けないように自由時間を減らすのが一番」「カウンセリング行きなよ」
このトピックには以下のような声が寄せられていた。
「パートとか在宅ワークとか物理的にパチンコに行けないように自由時間を減らすのが一番じゃないかな」
「私も昔はパチンコ、スロットしてだけど(依存レベル) 子供居るから行かなくなったら全く興味無くなったよ。 あなたは、子供居ても辞められない依存たから、カウンセリングとか行きなよ」
どちらも相談者の理性を取り戻すために、本来なら役立つような重要な言葉だ、こんなアドバイスが通用するほど初期の依存症というわけでは、もはやなかったらしい。
後々になって、このトピックを立てた相談者は再登場し、子どもが小学生になって時間的余裕ができたため、パチンコ屋に毎日行くようになったと書き込んでいる。さらには「大学費用にためていたお金にも手を出して、もう死にたいです」と書き込んでいる。
まさにこれぞパチンコ依存症という典型例である。自分のお小遣いの範疇で遊べばいいのに、子どものための貯金にまで手を出すのだ。それで「子どものためにやめたい」なんて、よく言えたものだという話だ。この相談者がまずすべきことは、「子どものために」という錦旗を掲げることではなく、子どもに謝罪することしかないだろうに。