WorldRXではMJPレーシング・チーム・オーストリアに所属するケビン・エリクソンが氷上初勝利 WorldRX世界ラリークロス選手権のスウェーデン戦の舞台でもあるホルヘで、2月10日に開催された『RallyX on ICE(ラリーX・オン・アイス)』の第2戦は、開幕戦勝者のオリバー・エリクソンの兄であり、WorldRXにはMJPレーシング・チーム・オーストリアからレギュラー参戦するケビン・エリクソンが、兄の面目を保つ勝利を飾った。
ラリークロス界の名門であるオルスバーグMSEを運営するアンドレアス・エリクソンの子息であり、エリクソン兄弟の長男でもあるケビンは、弟のオリバーとともに予選ステージから最速タイムを分け合う好走を披露。
とくに弟であり、開幕戦を制しているオリバーは3度の予選ヒートすべてを無敗で通過し、前戦でのスピードを維持してセミファイナルへと進出。兄のケビンは予選ヒートで2勝を挙げるも、最後のセッションで2位となり弟の背後から準決勝を戦う展開となった。
そのセミファイナルでは、兄の立場に加えてWorldRX勝者としてのプライドをみせ、早々にGRCグローバル・ラリークロス・レギュラーの弟を捉えると、そのままトップでフィニッシュ。北米ではシビック・クーペ・タイプRを操るオリバーは、ノルウェー出身のソンドレ・エブジェンにもかわされ、決勝はセカンドロウからのスタートとなった。
迎えたファイナルでは、俄然有利な立場となったポールポジションスタートのケビンが、スタートと同時にリードを築き、追いすがる20歳のエブジェンや19歳の弟オリバーに一度もトップを譲ることなく、ラリーX・オン・アイス初勝利に華を添えるポール・トゥ・フィニッシュを飾った。
「僕にとっては本当に良い週末になった。ほぼ完璧に物事を運ぶことができたからね」と笑顔で語ったケビン・エリクソン。
「予選ヒートの成績が充分ではなく、準決勝ではふたりの若いドライバーをどうしても倒しておく必要があった。決勝では自分の持てるドライビング技術のすべてをつぎ込んだけど、幸いなことにリードを保つことができたよ」
「今回、オルスバーグMSEで僕のチームメイトであるシリル・レイモンドは不運な週末を過ごしたけど、ファイナルでは僕のスポッターとして重要な仕事を果たしてくれた。僕が落ち着くように必要な情報を与えてくれ、後方のソンドレ(・エブジェン)と充分なギャップがあると知らせてくれたんだ」
「もちろん、それを最後まで維持しなくちゃならないことは分かっていたけど、正直に言うと少しナーバスになっていた。これが僕にとっての氷上初勝利で、これまで5回も2位フィニッシュを経験してきたからね。本当に最高の気分だよ」
一方、予選ヒートで3連勝を挙げながら、準決勝、決勝とライバルに先行を許した開幕戦勝者オリバーは、セミファイナルでジョーカーラップの進入をミスしたことが週末の敗因になった、と振り返った。
「予選ヒートでは本当にペースが良かったけど、準決勝ではソンドレがわずかに僕を上回った。それは決勝でも続き、彼と兄のケビンが僕よりも優位に戦いを進められる状況を自分で作ってしまったんだ」とオリバー。
「もちろん決勝でもキャッチアップを試みたけど、ギャップを埋めるには充分な速さがなかった。1日を通じて各車のタイヤに装着されたスタッドが路面の雪を掻き出して、セッションが進むにつれてアスファルトが露出する部分が増えた。彼らはその路面変化に対して僕より早くアジャストすることができたんだろう。でも、次に向けて貴重な経験を積むことができたよ」
また、サポートクラスとして開催されたルノー・クリオRSワンメイクのRXアカデミー・オン・アイスでは、フィンランドのユッセ・カリオが勝利。2位には開幕戦に続いて2014年GRC王者のジョニ・ワイマンが入った。
そしてスペインのラホズ・インダストリーズ製の4輪バギー、スピードカー・エクストリームを使用したワンメイク・クラスでは、こちらもWorldRX参戦組であるケビン・ハンセン、ティミー・ハンセンのチーム・プジョー・ハンセン兄弟が1、3位でフィニッシュ。2位にもWorldRXドライバーでマーカス・グロンホルムの息子であるニクラス・グロンホルムが入り、世界選手権ドライバーたちが表彰台を独占する結果となった。
続く第3戦はノルウェーに舞台を移して2月25日に開催の予定で、このラウンドには北米インディカー王者のジョセフ・ニューガーデンがゲスト参戦することが決まっている。