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三浦大知、ボーカリストとしての実力はどう磨かれた? 屈指のエンターテイナーの歌声に改めて注目

2018年02月14日 13:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 日本屈指のエンターテイナーと言われている三浦大知。昨年末は『第68回NHK紅白歌合戦 夢を歌おう』(NHK総合)や『第59回 輝く!日本レコード大賞』(TBS系)といった音楽特番に引っ張りだこ、さらに国民的お笑い番組『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)への出演で話題を集めるなど、三浦は2017年の音楽シーンの中心にいた人物と言っても過言ではない。


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 三浦大知のイメージといえば、真っ先にダンスパフォーマンスを思い浮かべる人も少なくないだろう。昨年の音楽特番では「EXCITE」や「Cry & Fight」、「(RE)PLAY」など、三浦の楽曲の中でもダンスが印象的な楽曲を多く披露していた上、無音の中でシンクロダンスを行うパフォーマンス(無音ダンス)も大きな話題を呼んだ。結果として華やかなダンスの印象が強く残っているのは当然と言える。しかし、キレのある振付や一糸乱れぬシンクロダンスと比べても遜色ない、卓越した歌声も三浦大知の大きな武器となっているのは間違いない。


 2月1日に放送された『SONGS』(NHK総合)では、三浦大知と土屋太凰の対談がオンエアされた。番組内で「EXCITE」や「(RE)PLAY」などが紹介されていく中、特に視聴者の目を釘付けにしたのが「ふれあうだけで ~Always with you~」だ。同曲は三浦のディスコグラフィーの中でも屈指のバラードソング。2014年には、シェネルやクリス・ハートら高い歌唱スキルを持つアーティストに続く形で『NIVEAブランド』のテーマソングに起用されている。放送当時、その素晴らしい歌声に反応した視聴者は多かった一方で、三浦大知の曲として聴いていた人は少なかっただろう。裏を返せば、そういった知名度に頼ることなく、歌声のみで世間の注目を集めたことが、三浦のボーカリストとしての実力の高さを証明している。


 同放送のステージでは「ふれあうだけで ~Always with you~」の一番をアカペラで歌唱。イノセントな雰囲気を纏う中音域の声質は綺麗でありながらしっかりとした芯を感じさせ、声の抜けも良さも「ふれあうだけで ~Always with you~」が持つ爽やかさと絶妙にマッチしている。静寂の中、一言一言を噛みしめるように、ゆっくりと丁寧に歌い上げる三浦は、曲に込められた感情をより鮮明に表現。<まもりたい あなたを 溢れ出すこの愛で すべてを 包むように>という歌詞を体現するように、優しさと同時にある種の強さを感じさせる歌声は、ダンスパフォーマンスで見せるイメージとは全く異なる姿を生み出していた。土屋との対談では、三浦がハンドマイクの使い方も表現のひとつと説明するなど、ダンス同様に歌に対してもストイックに向き合っていることが窺えた。また、「理想は歌とダンスが相思相愛なのがすごく良い」という発言からも分かるように、三浦にとってダンスと歌は同じバランスで共存し合っている必要があり、そのふたつの均衡を保つために並々ならぬ努力を重ねているのだろう。日本を代表するエンターテイナーと呼ばれるまでに彼を押し上げたのは、そんなたゆまぬ努力と芯の通ったスタンスにほかならない。


 Folder時代はハイトーンの透き通った声で一世を風靡した三浦だが、変声期をきっかけに12歳で一時アーティスト活動を休止、ボイストレーニングを経てソロデビューシングル「Keep It Goin’ On」でアーティスト活動を再開している。復帰当時、黒沢薫(ゴスペラーズ)が手掛けるR&Bサウンドを基調とした楽曲を、17歳という若さでありながらソウルフルに歌い上げると、そこから4thシングル「No Limit」で宇多丸(RHYMESTER)、7thシングル「Your Love」でKREVAとコラボレーションを果たすなど、実力派アーティストにも認められていった。三浦自身は歌声のターニングポイントとして9thシングル「The Answer」を挙げており、当時のインタビューでは「これまで、自分が歌う時に形成し培ってきたモノがあるんですけど、それを一回全部壊して全く違う所に自分の本来の声があったっていうイメージですね」と語っている。変声期の不安を乗り越え、そこからさらにブラッシュアップを続けてきたからこそ、現在の唯一無二の歌声を手にしたと言える。3月7日に発売される初のベストアルバム『BEST』には、デビュー曲から最新シングル「U」までのシングル曲24曲を網羅し、さらに、DREAMS COME TRUEの提供楽曲「普通の今夜のことを ─ let tonight be forever remembered ─」と新曲「DIVE!」を加えた全26曲が収録されているため、年代によって変容していく三浦の歌声にも気付くことができるはずだ。


 さらに2月14日には、絢香とコラボした「ハートアップ」をリリース。先行して視聴映像が公開されると、両者のファンから「耳が幸せ」や「大好きな2人のコラボ」といった喜びのコメントが続々と寄せられている。同楽曲のプロデューサーである小林武史は、公式コメントで「とにかく二人の『歌い手として生きている感』が、すごい」と賞賛しているように、ふたりのハーモニーを存分に味わえる楽曲になっている。


 そして2月14日と15日には、日本武道館で2days公演を行う三浦大知。これまでライブやテレビ出演で常にサプライズを生み出し続けてきた三浦ならではの、あっと驚くようなステージが展開されるだろう。三浦の代名詞となっているダンスパフォーマンスはもちろん、最高の歌声でファンを魅了してくれるにちがいない。(泉夏音)