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クールジャパンっていつまで言い続けるの? 内閣府作成資料のガッカリ感、「真面目な資料のはずなのに笑える」という声も

2018年02月13日 17:41  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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海外に日本の魅力をPRするために「クールジャパン」という言葉が使われるようになって久しい。そもそも自国を「クール」と自画自賛するのはどうなのか、という問題もあるが、政府は2018年度のクールジャパン関連予算として、2017年度より190億円多い659億円を要求する予定だ。そんな中、内閣府の知的財産戦略推進事務局が2月6日に発表した資料にツッコミが相次いでいる。

タイトルは「国のクールジャパン戦略の最新状況~クールジャパン戦略を活かした地域づくり~」。アニメや歌舞伎などの伝統文化、日本の食など、外国人が日本の魅力として感じる要素を街づくりに取り込む必要性を訴える資料だが、あまりにも安易な内容に「税金の無駄遣い」などの感想が多数出た。

「精神・物質」「ポップ・深遠」を軸に魅力要素を説明 「中高生の学級内プレゼン資料か?」


特に注目を浴びているのは11ページにある図。縦軸に「精神~物質」横軸に「ポップ~深遠」を取り、「クールジャパン」要素をマッピングしている。「スイーツ」は最もポップで物質的な物、「神話」は最も精神的で深遠な物といった具合だ。他には「ウォシュレット」や「現代アート」、「原宿ストリートファッション」などが載っている。

日本的なものをとりあえず網羅的に配置したようだが、これらには、

「『神話』が『クールジャパン』という位置づけも、並み居る『クールジャパン』の中で精神、深遠性と両方でトップの位置付けになってるのも、誰が一体決めたんだ?」
「禅・武士道があるのに忍者がない」

とツッコミが相次いだ。表現方法にも「何なんだ、この表の縦横軸の指標は。中高生の学級内プレゼン資料か?」という声が上がっていた。

内閣府が行った「クールジャパン調査」によると、欧州、アジア、北米ともに、日本に興味を持ったきっかけとして最も多いのは「アニメ・マンガ・ゲーム」だった。欧州や北米では日本食、神社仏閣などの建造物を含む日本の歴史への関心が高く、アジアは日本の音楽に注目していることも分かっている。資料の図は、こうした結果を反映して作られたものだと思われるが、ポップ、深遠と安易にくくるのは避けた方がよかっただろう。

政府はコンテンツ市場や食市場を足掛かりに、地方のまちづくりと観光振興を同時に行いたいようだが、「クールジャパンってまだやってたんだ」「真面目な資料のはずなのに笑える」など、日本で暮らす人の反応はどこか他人事だ。

少子高齢化に「日本らしい解決方法を提示」すると記載 「日本らしさ関係ある?」

一方で、「『ウォシュレットや弁当箱は日本人からすると当たり前でも海外からするとそうでもないみたいだぞ』というステージにやっと来られたという点ではむしろ進歩だと」と、資料を肯定的に評価する意見もあるが、数は少ない。

資料の最後の章は「日本らしい未来像の掲示」というタイトルで、例として「少子高齢化などの社会問題の日本らしい解決方法を提示」と書かれている。資料からは、障がい者や高齢者などの家庭内での自立生活をアシストする生活支援ロボットや、子どもの留守番を見守るロボットの開発などがそれにあたるように読めるが、「解決方法に日本らしさいる?」「高齢者の定義をずらすとかでしょ」とツッコミが相次いでいた。