ヒュンダイ・モータースポーツは2月12日、同社が販売しているカスタマー向けラリー車『ヒュンダイi20 R5』の改良型となる2018年モデルを正式発表した。
WRC世界ラリー選手権のWRC2をはじめ、世界各国のラリー選手権を戦っているR5車両。フォードやプジョーに加え、近年はシトロエンやフォルクスワーゲンも参入を予定するなど、大きな人気を集めているカテゴリーだ。
ヒュンダイは、この人気市場に2016年から参入済み。今回発表された2018年モデルは、レギュレーション上で許されているホモロゲーション取得後2年間の“ジョーカー”を使い切ったビッグマイナーチェンジモデル。主にエンジンに大きく手が加えられている。
新型エンジンは1.6リッターの直噴ターボエンジンという仕様は変わらないものの、新たに可変バルブタイミング機構を導入。エンジンマップも変更されたほか、細かな部品の見直しによりスロットルレスポンスが向上したという。
車体面ではシャシーを一部見直したことでハンドリングが向上したほか、パッケージ全体のパワーアップにも貢献。また、ダンパーにはグラベル/ターマックの両方で新たなセッティングが用意され、ディファレンシャルもより幅広いレンジに対応できるようになった。
この2018年モデルは3月1日にホモロゲーションを受ける予定で、同日以降にデリバリーされるi20 R5はすべてアップグレードモデルとなる。また、既存のカスタマーも3月1日からアップグレードキットを適用することができる。
ヒュンダイ・モータースポーツのカスタマーレーシング部門を統括するアンドレア・アダモは「i20 R5を選んでくれたカスタマーとともに、我々はどんな選手権であれ、優勝争いに加わることを目標としてきた」と述べた。
「R5カテゴリーは急速に成長しており、我々も目標を達成するためにコンスタントに開発を続けてきた。今回のアップデートはマシンデビュー以来、もっとも重要な意味を持つものだ。これにより、カスタマーたちは各チャンピオンシップで王座獲得を狙えるはずだ」
「2018年も、このi20 R5はさまざまなラリー競技で使用されることになる。今後もあらゆる状況でマシンが速さを発揮できるよう、我々としても仕事を続けていく」