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オバマ前大統領夫妻の肖像画、国立肖像画美術館に初お披露目

2018年02月13日 13:22  Techinsight Japan

Techinsight Japan

手がけたアーティストたちとステージに立つオバマ大統領夫妻(画像は『National Portrait Gallery 2018年2月13日付Instagram「Today has been historic in many ways.」』のスクリーンショット)
米時間12日、ワシントンD.C.の国立肖像画美術館にオバマ前大統領夫妻の肖像画が展示された。同美術館におけるアフリカ系アーティストによる初の公式肖像画とあって、多くのメディアが駆けつけたようだ。

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バラク・オバマ前大統領はこの日、国立肖像画美術館にて初めてお披露目された自身の肖像画を見つめながらこのように述べた。

「すごくスタイリッシュだね。」

ロサンゼルス在住のアーティスト、ケヒンデ・ワイリーさん(Kehinde Wiley)によって描かれたこの作品には、椅子に座り、両腕を膝の上で交差させながら、真剣な眼差しで前を見据えているオバマ氏の姿がある。背景の鮮やかなグリーンはオバマ氏のルーツであるアフリカの壮大な自然を彷彿させる、躍動感に溢れる色使いだ。またジャスミンの花は生まれ故郷のハワイを、菊の花はオバマ氏が政治家としての道を歩み始め2度の大統領選で勝利宣言をしたシカゴをそれぞれ表しているという。


またミシェル・オバマさんの肖像画は、ボルチモアを拠点に活動しているエイミー・シェラルドさん(Amy Sherald)が手掛けた。ロングドレスを着て座っているミシェルさんが、右手をあごの下にそっと置き肘をついている。落ち着いた表情だが、穏やかながらも内に秘めた芯の強さが伝わってきそうだ。

ミシェルさんは「感激で胸がいっぱいです。私には肖像画を描いてもらったことのある身内は誰もいませんし、ましてこれが国立美術館に飾られるなんて」と恐縮しつつ、同じ肌の色をした女性の肖像画がここに飾られていることが、未来を担う若き女子らに影響をもたらしてくれたら―と明かした。

妻の肖像画の出来にはオバマ氏も満足したようで、シェラルドさんに対し「エイミー、私の愛する妻の気品、美、知性、人を惹きつける魅力、そしてセクシーさをこんなにも素晴らしく表現してくれてありがとう」と賛辞を送っていた。

通常、公式肖像画のお披露目はさほど大きな話題にならないが、今年はワイリー、シェラルド両氏がともに国立肖像画美術館の公式制作を手がける初のアフリカ系アーティストであったことや、ワイリー氏が同性愛者であることなどからその仕上がりが大きな注目を集めていた。

建国以来初のアフリカ系大統領、初のハワイ出身大統領、そして初の1960年代生まれの大統領と、米国の歴史に多くの“初”をもたらした第44代バラク・オバマ大統領。今回の同性愛者・アフリカ系アーティストの起用で再び“新たな歴史の1ページ”を刻んだ同大統領の姿は、米国のマイノリティに希望の光を照らしてくれたようだ。

ちなみにこの国立肖像画美術館は歴代の大統領だけでなく、スポーツ選手や芸能人など多くの著名人の肖像画が収められている。米国の歴史や文化を知る上でなかなか興味深い、オススメの美術館だ。

画像は『National Portrait Gallery 2018年2月13日付Instagram「Today has been historic in many ways.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma)