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fox capture plan、難波弘之による試奏も KORG『2018年新製品内覧会』レポート

2018年02月12日 10:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 2月9日、楽器メーカー・KORGによる『2018年新製品内覧会』が行われた。同イベントで主に紹介されたのは、世界最大の楽器ショー『NAMM Show 2018』で発表された新製品。本稿では、fox capture planや難波弘之も登場した充実の内覧会の一部模様をレポートする。


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 今回の内覧会は、下高井戸のG-ROKS Studioを貸し切りにして行われた。前シリーズより使い勝手が向上したというチューナー・GA-50/CA-50や、コンパクトなデジタルメトロノーム・KDM-3などに続いて紹介されたのは、5月12日に発売されるデジタルピアノ・D1。デジタルピアノらしいスタイリッシュな見た目だが、タッチはグランドピアノのような重厚感があるのが魅力的だ。


 D1の紹介後、fox capture planがステージに現れ、ピアノを担当するRyo Kishimotoが実際にD1を演奏。前半ではデフォルトの音よりも「音抜けが良く、バンドサウンドに合う」という「ピアノ2」の音色を披露し、後半ではKORGが得意とするエレクトロピアノ風のサウンドにチェンジした。Ryo Kishimotoはタッチの良さに言及し、「発音するタイミングの違和感が一切なく、自分のタイミングで音が鳴る」と説明。Grandstageの鍵盤に近く、ハンマーアクション技術へのこだわりを感じたという。操作性についても非常に簡単だと語っていたが、実際触ってみたところ、楽器初心者の編集部員でも容易に音色を変えることができた。タッチやサウンドだけでなく、ステージ上の短い転換時間でも簡単に操作できるというのもD1の魅力の一つだろう。


 また、2月24日に発売のアナログシンセサイザー・prologue-16(16ボイス+61鍵)/8(8ボイス+49鍵)についても触れておきたい。このシンセには新開発のマルチエンジンやアナログエフェクトが搭載されており、様々な音色を作ることができるのだが、そうした機能をただ詰め込むのではなく、直感的にアクセスできるような構成を心がけてデザインしたという。そんなprologue-16を、40年以上に渡りKORGのシンセサイザーを使用しているという難波が試奏。難波は魅力を一言で伝えるのは難しい、としながらも「Polysixとms20にFMシンセが加わって、思い切り現代的でハイパーなシンセになった」と印象を語った。柔らかく深みのある音からエレクトロなサウンドまで、自由自在に音色を作り出していく様子は、本当に同じ楽器を使っているのか、と驚いたほどだ。


 さらに別室ではKORGの新製品に加え、Arturiaのアナログシンセサイザー・MiniBrute 2/2Sが展示され、一般社団法人 日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ理事でもある氏家克典氏が解説を行った。KORGの新製品としては、小規模ながら生録音したリアルなドラム、パーカッションスタイルを24種類内蔵したKR-55 Proや、アナログパフォーマンスミキサー・volca mix、コンパクトでパワフルなポータブルステレオPAシステム・KONNECTなど、演奏者のみならずリスナーにとっても聴取体験を大きく変化させるようなものも多いように感じた。ライブ中にはアーティストのパフォーマンスだけでなく、豊かなサウンドを作り上げる楽器の数々にもぜひ目を向けてみてほしい。(村上夏菜)