TCRドイツからTCRヨーロッパに転向し、ヒュンダイへのスイッチを発表したターゲット・コンペティション 2015年のTCRインターナショナル・シリーズを皮切りに、2016、2017年のTCRドイツでもチャンピオンチームとなった強豪ターゲット・コンペティションが、2018年に向けTCRヨーロッパ・シリーズへの転向を表明。それに伴い、参戦車両を新型モデルの『ヒュンダイi30 N TCR』にスイッチすると発表した。
TCRインターナショナル初年度にステファノ・コミニを擁し、セアト・レオンTCRで初タイトルを獲得。その翌年から戦いの舞台をドイツに移し再びセアトで王座を獲得すると、17年はFK2型のホンダ・シビック・タイプRにスイッチ。エースのジョシュ・ファイルズが2年連続のチャンピオンに輝いたその傍ら、さらにアウディRS3 LMSの4台を加えた6台体制でシリーズを戦うなど、TCRシリーズのトップチームとして君臨してきた。
その名門チームは2018年シーズンに先立ち、TCRドイツからの離脱を発表すると同時に、インターナショナルがWTCR世界ツーリングカー・カップに統合されたことを受け生まれ変わった、TCRヨーロッパへの参入を表明。
新たなシリーズにはホンダ、アウディに代わり、3台の『ヒュンダイi30 N TCR』を投入。そのうちの1台には、ドイツ・シリーズでもともに戦ったリース・バールを起用するとアナウンスした。
チーム代表兼オーナーのアンドレアス・ゲメラーは、当初のドイツ・シリーズ参戦継続からの方針転換について「これはドライバーからの要請で下された決断だった」と説明した。
「まず、ADAC TCRドイツで成功を収めた2年間に関して、多くの皆さんに感謝申し上げる」とゲメラー。
「2018年に向け新たにTCRヨーロッパへの参戦にシフトする決断は、ドライバーからのリクエストによるものだった。リース(・バール)とともにこの新たなチャレンジに乗り出すのを楽しみにしているよ」
このアイルランド出身の17歳は、元WTCC世界ツーリングカー選手権王者アンディ・プリオールのドライバー育成プログラム生で、2017年にドイツのミニ・チャレンジで4輪デビューを果たすと、シリーズランキング2位という好成績を残すなど印象的なパフォーマンスを披露。同じシーズンに、ターゲット・コンペティションからTCRドイツにスポット参戦を果たしている。
「そのリースが乗るヒュンダイとの関係は、昨年アドリアで開催されたヨーロッパ・トロフィー参戦時に始まったんだ。我々はマシンのパフォーマンスに非常に感銘を受け、とても競争力のあるパッケージを手にすることができると確信している」と続けたゲメラー。
また、TCRヨーロッパ・シリーズと、5戦が併催されるTCRベネルクスに対して、ヨコハマタイヤが新たに3年間のオフィシャルタイヤサプライヤーに就任したことも発表され、先日アナウンスされたばかりのWTCRに続いて、TCRの主要シリーズのほぼすべてで、ヨコハマタイヤの知見が活用されることとなった。