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Miracle Vell Magicが放つ“時代の空気感” 新世代ポップアイコンとしての飛躍を読む

2018年02月09日 13:32  リアルサウンド

リアルサウンド

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 SNSを中心に女子中高生に絶大な人気を誇るMiracle Vell Magic(ミラクル ベル マジック)が10カ月ぶりとなる新曲「G-I-R-L」を2月2日に配信限定リリースした。本作は、彼女の原点である2006年にアメリカで放送されたテレビ番組『ハイスクール・ミュージカル』にインスパイアされたガーリーでキラキラポップなアッパーチューンだ。


参考:ましのみが語る、音楽で生きていくことへの決意 「私にしかできないことをやらないと意味がない」


 パーカッシブに跳ねるビートと、チアリーディングのように元気いっぱいの歌声や魔法がかったキャッチーなアレンジがリスナーに勇気を与えてくれる。海外でいうところのチャーリーXCX、テイラー・スウィフトのようなガールパワーを感じる“時代の空気感”を体現する勢いを感じさせながらも、楽曲タイトル「G-I-R-L」の頭文字に独自の意味を持たせるなどユニークな展開がフレッシュだ。彼女のファンであるラベラー(ファンの意)と一緒に夢を叶えていこうとする距離感の近い関係性が人気の理由なのかもしれない。


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“G”は私たちが振りまくグリッター


“I”は私たちのインテリジェンス


“R”は私たちのロッケンロール


“L”は私たちのラブ


私みたいなガール


あなたみたいなガール


私みたいなガール


あなたみたいなガール


~『G-I-R-L』歌詞から引用~
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 Miracle Vell Magicは、ディズニー・コンピ『Disney Magical Pop Christmas』、『Thank You Disney』への参加。ディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービー『ディセンダント2』日本スペシャル・サポーターとして、挿入歌「悪の力を呼び覚ませ(原題:Ways to Be Wicked)」を日本語でカバーしていることも話題だ。


 まず、彼女の魅力のひとつとして挙げられるのは歌声の表現力の豊かさだ。これまで、YouTubeやMixChannel、VineなどのSNSでの自作動画のトータル再生回数が1億回を越え、映画『アナと雪の女王』の主題歌「Let It Go」を、ひとりで25役のディズニーキャラを演じ分けてミュージカル風に歌う動画が4,000万再生を越え話題となるなど、実は海外人気も高い次世代のエンターテイナー=Miracle Vell Magic。ディズニーファンの感性をくすぐる世界観、変顔やあるあるネタを織り交ぜながらも、しっかりと歌で魅せていく。ひとつのショーとして完成した動画にユーザーは釘付けとなった。さらに、ディズニー・コンピ参加をきっかけにマイケル・ジャクソン『THIS IS IT』を手がけたプロデューサー、ケニー・オルテガに評価されるなど、音楽面にも注目が集まっている。そう、ずっと聴いていたくなる彼女の歌声の質感の素晴らしさ。まず、声の良さに触れてみてほしい。


 東京ディズニーリゾートのお膝元、舞浜イクスピアリにて定期ライブでの集客人数が1,000人を越える実績や、都内劇場でのワンマンライブを成功させるなど注目度の高い彼女。歌声とともに注目すべきは本人が脚本・歌・作詞・演技・ダンス&振り付け・イラスト・撮影・編集までをマルチに手がけ、英語もネイティブ並みという独自のセンスで展開する多動力溢れるクリエイティブ・ワークだろう。他の追随を許さない、圧倒的才能とセンスだと思う。


 さらに、音楽配信サービス(Apple Music、AWA、Google Play Music、KKBOX、LINE MUSIC、レコチョクBEST)と音楽チャート(billboard JAPAN)と音楽専門チャンネル(SPACE SHOWER TV)が連携し、日本における新しい音楽のヒットや潮流を作ろうとするニューカマーアーティストを後押しするプロジェクト『NOW PLAYING JAPAN』にもノミネート。大比良瑞希、King Gnu、サイダーガール、sui sui duck、PAELLAS、Lick-Gなど、人気の次世代アーティストとともに、参加ストリーミングサービスでの再生回数累計によってトップを決めるアワード的な試みに参加している。


 これまでは動画やライブ・イベントなどで人気を博してきたが、『NOW PLAYING JAPAN』へのノミネートからもわかるように、徐々に彼女の歌声やアーティスト性にも注目が集まりつつある。SNSやストリーミングサービスの急速な普及など、海外との境界線が曖昧となりつつある近年の音楽シーン。Miracle Vell Magicは、英語詞による表現力豊かな作品、アメリカカルチャーとの親和性の高さなどから、国内外でポップアイコンとして活躍する可能性を感じるのだ。


 3歳からエンターテイナーを夢見て、独学での英語の勉強。誰にも見向きされなかったストリートライブでのアカペラで歌唱していた時代から駆け上がり、スマホを駆使した空前の動画ムーブメントで人気者となった彼女。夢は、ウォルト・ディズニーのように、国や言葉に関係なく世界中の人を幸せにすること。プロフェッショナルで意識の高いMiracle Vell Magicが、国境を越えて世界中のラベラーの心を捉え、幸せにする日は近そうだ。(ふくりゅう(音楽コンシェルジュ) )