スーパーバイク世界選手権(SBK)に参戦するKawasaki Racing Team WorldSBK(カワサキ・レーシング・チーム・ワールドSBK)が日本時間2月9日早朝にスペインのバルセロナで参戦体制を発表。2018年シーズンを戦うカワサキKRT Ninja ZX-10RRがお披露目された。
カワサキ・レーシング・チーム・ワールドSBKの2018年ライダーラインアップは、ジョナサン・レイとトム・サイクス。2015年から続くこのコンビは2018年シーズンも継続だ。
ディフェンディングチャンピオンのレイは2017年シーズン、26レース中16勝を含む24度もの表彰台を獲得。ランキング2位のチャズ・デイビス(ARUBA.IT RACING - DUCATI)に対し53ポイント差をつけて3連覇を達成した。
「新しいカラーリングのマシンを公開するときはいつも興奮するよね。まさにシーズンが始まるんだと感じるよ。KRTはこの発表に全力を尽くしている。それは僕を、常に新しいところに向かっていると感じさせてくれるんだ。カワサキのライダーとしてこういうすばらしいイベントに参加できて、誇りに思わせてくれるよ」
レイのチームメイト、サイクスは2018年で同チームから参戦9年目。2017年シーズンは2勝を挙げて16度表彰台に上り、ランキング3位を獲得している。
「レギュレーションの変更を考慮しても、僕らは本当にいいテストプログラムをこなすことができた。この瞬間、僕らの準備が整っていると感じているよ。このチーム発表はとてもすばらしくて、みんながいい仕事をしている。シーズンをスタートさせるには抜群だ」
また、レイ、サイクスが駆るZX-10RRが新しいカラーリングをまとって登場。KRTのプロジェクトリーダー、松田義基氏によると2018年型ZX-10RRには新しいエンジンが搭載されているという。これは、ドルナが設定した新しいレギュレーションによるものだ。
「2018年、SBKに参戦するマニュファクチャラーのパフォーマンスレベルを上げるために、SBKをプロモートするドルナは新しいエンジンルールを設定し、4気筒マシンの回転数を14700回転としました。ただし、カワサキの4気筒マシンは14100回転に制限されます。つまり、私たちのバイクがライバルより600回転も少ないということです」
「そしてもしいい結果が続けば、さらに250回転引き下げられることになります。参考までにお伝えすると、2017年型マシンは15200回転。つまり、新しいレギュレーションによって、私たちはこれまでよりも1100回転少ない範囲で戦わなくてはならないということなんです」
「明らかにこれは、ZX-10RRにとって大きなハンデとなります。エンジンの回転数はエンジンパワーの基盤で、私たちが戦ううえでの基礎となるものですから」
回転数の上限がライバル陣よりも制限されたZX-10RRだが、松田氏によるとその開発は順調に進んでいるとのこと。
「私たちは方向性を見直しました。2018年型には新しいエンジンを搭載しているのですが、より少ない回転数で、より馬力を発生させるキャラクターを持っています。少ないパワーのなかでコーナリング性能と操作性が向上し、充分な競争力があると自信を持っています」
「冬に行われたテストでは、私たちの方向性が正しいことが確認できました。勝利を収めることは簡単ではありませんが、私たちは最善を尽くします」
カワサキ・レーシング・チーム・ワールドSBKは今後二日間の公式テストに向けて準備を行ったあと、2月23~25日にオーストラリア・フィリップアイランドで開催されるSBK開幕戦でシーズンをスタートさせる。