WEC世界耐久選手権のLM-GTEアマクラスに参戦しているスピリット・オブ・レースは2月7日、元F1ドライバーで現在はフェラーリ・ワークスドライバーとして活躍するジャンカルロ・フィジケラを2018/19年の“スーパーシーズン”で起用すると発表した。
スイスに籍を置くスピリット・オブ・レースは2017年シーズンからWECへの参戦を開始したフェラーリ・カスタマーチーム。トーマス・フロー、フランチェスコ・カステラッチ、元DTMドライバーのミゲル・モリーナーという布陣でデビューイヤーを戦い、第7戦富士ではLM-GTEアマクラス初優勝を飾った。
5月第1週のスパ・フランコルシャンで開幕する新シーズンではこのドライバーラインアップを一部変更し、モリーナに代わってフィジケラがフロー、カステラッチと『フェラーリ488 GTE』をシェアすることとなった。
そんなフィジケラはF1引退後の2010年からGTレースに本格参戦。WECには2012、2013年にフェラーリのセミワークスチームであるAFコルセからLM-GTEプロクラスにフル参戦し、初年度の2012年ル・マンでクラス優勝、同年のシリーズチャンピオンを獲得した。
2014年以降は、戦いの舞台を北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップにスイッチ。GTル・マン(GTLM)クラスのリシ・コンペティツィオーネに所属してレギュラードライバーとして活躍したほか、昨シーズンはカスペロスキー・モータースポーツの一員としてブランパンGTシリーズ・エンデュランスカップにも参戦している。
また、この間にもル・マンへの参戦は継続しており、AFコルセの第3ドライバーとして出場した2015年のレースでは自身2度目のLM-GTEプロクラス優勝を飾った。
「トーマス(・フロー)、フランチェスコ(・カステラッチ)、そしてスピリット・オブ・レースのファミリーに参加することにとても興奮している」と語ったフィジケラ。
「WECは世界でもっともスリリングで競争力のあるシリーズのひとつだ。この強力なチームでシーズンを成功させることが楽しみだよ」
「プレシーズン中にドライブした新しいフェラーリ488 GTEは素晴らしい出来だった。コース上の戦いのなかで、このクルマの力を最大限に活用することは本当にエキサイティングだと思うよ!」
スピリット・オブ・レースで2シーズン目を迎えるフローとカステラッチは、ともにフィジケラの加入を歓迎する。
チームのメインスポンサーである航空会社、VISTA JETの会長を務めるフローは「ジャンカルロ(・フィジケラ)が僕たちのチームに加わるのは素晴らしいニュースだ。彼と一緒に戦えるシーズンが待ちきれない」とコメント。
イタリア人ドライバーのカステラッチもまた「同郷の偉大なドライバーのひとりとともに戦えることは、僕にとって特権というほかない」と語り、「僕はモータースポーツの世界では常にジャンカルロを目標としていたんだ。今シーズンは昨年以上の成績を達成したい」と母国のヒーローとの共闘に胸を高鳴らせている。