マクラーレンF1チームのエグゼクティブディレクター、ザック・ブラウンは、チームが2018年シーズンに待望のF1上位復活を果たした場合、必然的にフェルナンド・アロンソとルイス・ハミルトンが再びライバル関係になるだろうと考えている。
ふたりは、2007年シーズンにマクラーレンのドライバー同士として競い合った。だが、当時2度の世界タイトルを獲得していたアロンソとF1ルーキーであるハミルトンの激しい戦いは、チームメイトとしてのふたりの関係も壊してしまった。
結局、アロンソはその1シーズンだけでマクラーレンを離れ、現在まで世界チャンピオンの座を手に入れていない。一方のハミルトンは、2008年に自身初のF1ワールドチャンピオンに輝き、メルセデスに移籍して以降も3度の戴冠を果たしている。
ブラウンは、Express Sportの取材に対して「あのとき、世界で最も優れたふたりの若いドライバーがひとつのチームにいた。互いに必死になって相手を倒そうとし、その結果戦いが不健全なものになってしまったのだ」と語り、さらに以下のように続けた。
「同じようなライバル関係は、マクラーレンのアイルトン・セナとアラン・プロスト、ウイリアムズのネルソン・ピケとナイジェル・マンセルの間にも見られた」
「二頭の若いライオンをひとつの檻に放てば、ある程度は戦いの火花が散るものだと思う」
「ときにチームは、その火花を利用しながらふたりのライバル関係をうまく管理することもできる。メルセデスは上手くやった。ルイスとニコ(・ロズベルグ)は互いにかなり感情的になっていったが、メルセデスはその緊張関係を非常にうまく管理していた」
「セナとプロストの関係は、プロストがチームを離れるまでの間に、互いになんとか相手を引きずりおろそうとして走るまでに悪化してしまった。2007年当時のルイスとフェルナンドの関係も、制御できないレベルになってしまった。ふたりとも若く、自分の力を証明しようと必死だったからだ」
マクラーレンがF1上位復活を目指すために、何よりもふたりによる激しい戦いの再現が見たい、とするブラウンは以下のように話している。
「戦いを見ることが待ちきれない」
「新しいシーズンで、誰がどの位置につけるのかが見たい。フェルナンドとストフェル(・バンドーン)が互いに競り合う場面を、そしてフェルナンドがルイスと競り合いながらマシンの性能をフルに発揮させる場面を見ることが、今から待ちきれない」