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『となかぞ』北村匠海演じる“朔ちゃん”がかわいすぎる! 観る者を惹き付ける、人間としての美しさ

2018年02月08日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 妊活中の夫婦を中心に、コーポラティブハウスで暮らす4家族について描く『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)。不妊治療の流れや夫婦の心情などが丁寧に描かれていると評価される一方で、注目を集めているのが眞島秀和と北村匠海による同性愛カップル。ことさら北村演じる青木朔においては、放送を終えるごとにSNSで「かわいい」と大反響を呼んでいる。


 第1話で、たまたまバーで出会った渉(眞島)に対して「わたるんって呼んでいい?」と近づくと、「わたるんも、こっち側の人だよね?」と確信に迫り、あれよあれよと路上で初キス。1年の時が経ち、コーポラティブハウスで暮らす渉のもとに、突然「わ~たるんっ」という破壊力抜群の呼び掛けとともにやってきた朔は「一緒に暮らすのは無理って言うなら、別れよう。今ここで」と究極の選択を渉に突きつけ、半ば強引に同棲生活をスタートさせるのだった。


 朔に扮するのは、ダンスロックバンド・DISH//のボーカル兼ギターとしても活動する北村匠海。昨年公開された映画『君の膵臓をたべたい』で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍する実力派俳優だ。北村の魅力は、ドラマの中で大器(松山ケンイチ)が「妙にイケメン」と評した、その顔立ちと包容力のある声。もちろん演技力は言うまでもなく、朔が渉に「んーっ」とキスをせがむ姿や、ソファーでの膝枕、大器に奈々との浮気を疑われアタフタと声を上げる姿には無条件で胸キュン&ニヤつき必至。人懐っこい子猫のような姿には、思わず「朔ちゃん、おいでおいで~」と手を差し伸べたくなるし、澄んだ瞳に見つめられただけで抱きしめたくもなる。


 だが、朔の魅力をあげる上で「かわいらしさ」に加えて感じるのは、人間としての「美しさ」。本サイトのインタビュー(参考:北村匠海が向き合った“転機”と“決断” 「自分が一番没頭できるのがお芝居と音楽」)で北村が、朔について「人の懐に入るのが上手いし、誰かの心をほぐしてあげる能力がすごく高い人だと思います」と語っていたように、朔は人の心に寄り添う力に長けている。


 たとえば、不妊治療を夫に強要しているのではないかと落ち込んでいた奈々(深田恭子)に対して「つらいことや苦しいことの先に喜びや幸せがあるってわかっていれば前に進めるけど、そうじゃなきゃ、なかなか進めないよ。奈々ちゃんは、あるの? 今くじけそうになってることの先に希望、ある?」と、声をかけた朔。「何に悩んでいるのか」を追及するのではなく、落ち込む心を温かく包み込むその言葉には、朔の優しさが溢れていた。


 朔は、自分が同性愛者であることを隠すつもりはない。だが、愛する渉は同性愛者であることを公表していない。愛しているからこそ言いたい、けれども愛しているからこそ言えない……。答えのないジレンマに襲われている朔だが、渉とのキスを見られてしまった奈々に「誰にも言わないでほしいし、わたるんには、この件についても触れないであげてくれると助かるんだよね」と伝えるなど、自分の気持ちは胸にとどめ、渉の気持ちを優先させてきた。


 どんな時でも前向きかつチャーミングに振る舞う朔だが、過去に辛い経験を重ねてきた可能性は大いにある。それでも、誰に対しても壁を作らずフラットに接する言動からは、苦悩や痛みを一つひとつ受け入てきたであろう朔の強さが伺える。だからこそ、朔が時折見せる「言いたいことも言えない人生なんて、つまんない」といった渉に対するちょっぴりの抵抗には、愛らしさに隠れた朔の弱さが垣間見え、私たちの心に切なさをもたらす。そして、そんな自分の弱さをカバーするかのように周りに愛を与え続ける朔の“人としての美しさ”に、改めて惹かれてしまうのだ。


 今夜放送される第4話の予告には、朔が大器にバックハグをしている意味深シーンも。横になる朔を渉が抱きしめる姿も映し出されていただけに、2人の恋の行方がますます気になるところ。あふれるドキドキを抑えつつ、夜10時を待ちたいと思う。


(nakamura omame)