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成田凌、『わろてんか』でも大ドンデン返し? 予想裏切る“人たらし”の演技を考察

2018年02月07日 10:12  リアルサウンド

リアルサウンド

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 NHKの連続テレビ小説『わろてんか』で、ヒロイン・てん(葵わかな)の息子として登場する隼也。仕事に忙しい両親と一緒にいられない寂しさからか、かつてはてんにも父親の藤吉(松坂桃李)にも反抗的な態度を取ってきた隼也だったが、藤吉の死後、父の夢であったアメリカに渡り、第102話に再登場した彼はすっかりさわやかイケメンに成長していた。


 その成長した隼也を演じているのが、『逃げるが恥だが役に立つ』(TBS系)や、『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ系)で注目を集めた成田凌だ。もともとファッション雑誌『MEN’S NON-NO』のモデルオーディションに合格し、芸能界の道を歩み始めた彼。現在も同誌の専属モデルとして活躍しているが、成田が最初に俳優として注目を集めたのは、広瀬すずが主演を務めたTVドラマ『学校のカイダン』(日本テレビ系)だろう。


 今となって思えば、このドラマには成田はもちろんのこと、間宮祥太朗、白洲迅、健太郎といった、このところ活躍が目立ってきている若手俳優が顔をそろえていた。学園ドラマが若手の登竜門であるのは、窪塚洋介、小栗旬らを輩出した『GTO』(関西テレビ・フジテレビ系)や、菅田将暉、山崎賢人、野村周平が出演していた『35歳の高校生』(日本テレビ系)など(元祖は『3年B組金八先生』(TBS系)あたりか!?)を見れば明白なことだが、この『学校のカイダン』も5年後、10年後になると、人気俳優を生み出した“神”ドラマと呼ばれる存在になっているかもしれない。


 と、『わろてんか』における成田凌の考察という本筋からは、少し外れてしまったが、成田は『学校のカイダン』に出演後、俳優としてさらなる躍進を見せることになる。それが先述した『逃げ恥』と『ひとパー』だ。本サイトでも『成田凌、視聴者を見事に騙す演技力』という記事(http://realsound.jp/movie/2017/06/post-83285.html)を過去に掲載しているが、ここでの彼は持ち前のさわやかなビジュアルと、“人たらし”を思わせる笑顔を武器に、観る者の予想を気持ちよく裏切ってくれた。そして、両方の役に共通して言えるのは、双方とも(視聴者を含む)相手をだますつもりは毛頭ないことだ。もちろん、それは脚本によるところが大きいと思うが、ここまで普通な顔をして大ドンデン返しを見せてきた成田だけに、『わろてんか』で演じる隼也に対しても、単なるアメリカ帰りのさわやかイケメンでないことを期待するのは当然のことだろう。


 実際、第104話で、修行のために北村笑店で丁稚奉公をすることになった隼也は、“しゃべくり漫才こそ最高の芸”と信じる専務の風太(濱田岳)の考えに違和感を抱いているように見える。それもそのはず、修也が「アメリカでは…」と意見しようにも、風太は「アメリカ帰りのアホぼんか」と一切聞こうとしないのだから。それゆえ、隼也が頭の固い風太よりも、前衛的な考えを持つ伊能(高橋一生)に傾倒していくのは明白だ。今は北村笑店の跡継ぎ修行のため、風太のもとで文句も言わずに頑張っている彼だが、いつ反撃ののろしを上げるのか、成田の演技とともに注目していきたい。(馬場英美)
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記