「ペットは家族の一員」―そう話す飼い主も少なくない。それがたとえ獰猛な生き物として知られるワニであっても…。このほどインドネシアの西ジャワ州に暮らす男性が、20年以上もペットして飼っているワニをメディアに紹介した。『Barcroft TV』『Inside Edition』などが伝えている。
【この記事の動画を見る】
西ジャワ州のボゴールに暮らすアーワンさん一家はこの20年間、ペットとしてワニを飼っている。地元の漁師がまだ子供だったワニを「トカゲ」と思い込み、殺そうとしていたところをアーワンさんが買い取ったことがきっかけだったという。
「漁師の子供らが、30cmぐらいのワニの子供を『トカゲ』と言って遊んでいたのです。でも私は爬虫類のことを少し知っていたので、それがワニだとすぐにわかりました。漁師が殺そうとしていたので、それはかわいそうだとお金を渡して引き取ったのです。それからすぐにワニは家族の一員になりました。ペットとして飼うのはユニークですが、家族はワニと暮らすことを全く嫌がっていませんよ。」
アーワンさんはそのワニを“コージェック”と名付けた。現在は体重約200kg、体長およそ183cmとなったコージェックは、一日のほとんどをアーワンさんの裏庭にある狭い水路に浸かって過ごしている。アーワンさんは新鮮な生魚4~5kg分を週に3回ほど餌として与え、週1のペースで体の隅々まで洗い、歯磨きまでしてあげるそうだ。およそ20年間、ペットとして飼われてきたコージェックは人を脅かすような態度を取ることはなく、アーワンさんの3人の子供たちがコージェックの近くで遊んでも、特に心配はしていないようだ。アーワンさんによると、コージェックは今まで人を襲ったり傷つけたりしたことは一度もないという。
「漁師から買い取った当初、私は手を噛まれたんです。でもそれ以来、コージェックは一度も人を襲うことはありません。ただ、猫を一度だけ捕まえたことはあります。猫は好奇心いっぱいでコージェックの前でウロチョロしていたんですが、コージェックの動きはあっという間で、一撃で猫は死んでしまいました。私たち家族とは長い間一緒にいるから、特に私のことは友達か里親のように思っているのではないでしょうか。」
特別な飼育法など無く、排泄物で汚れた水路の水を週に一度入れ替えるだけだというアーワンさんだが、コージェックを世話している時の表情はまさにペットを愛しむそれである。コージェックの存在は近隣住民にも知られており、興味深そうに見に来る子供たちや、写真を撮ろうとする人々で常にコージェックは人の目に晒されている。しかしアーワンさん一家にとっては、コージェックは紛れもない家族の一員であり、大切なペットなのだ。
なお2016年4月には、オーストラリアで50年以上にわたりワニをペットとして飼い続けている一家のニュースが報じられた。
画像は『Barcroft Animals 2018年2月1日公開YouTube「Our Family Pet Is A Six Foot Croc | BEAST BUDDIES」』のサムネイル
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)