メルセデスAMGは、ワークスドライバーとしてDTMドイツ・ツーリングカー選手権やGTカーレースを戦ってきたマーロ・エンゲルが、2018年のDTMへ参戦しないことを明らかにした。
エンゲルは1985年、ドイツ・ミュンヘン生まれの32歳。DTMには2008~11年、2017年と計5シーズンに渡り、メルセデス陣営のワークスドライバーとして参戦している。これまで思うような結果を残せてこなかったが、2017年の第5大会、モスクワ戦のレース2で初優勝を飾っている。
また、エンゲルはDTM参戦と並行してメルセデスAMGのワークスドライバーとして、GT3レースにも参戦しているほか、フォーミュラEにも参戦。2017/18年シーズンはベンチュリーのレギュラードライバーを務めている。
2018年シーズンに向けては、エンゲルが参戦するカテゴリーのうち、DTMとフォーミュラEについては2戦で開催日程が重複。両シリーズに参戦した場合、エンゲルはどちらかの一部欠場を余儀なくされる状況だった。
チームとエンゲルは熟慮の末、メルセデスが2019/20年からワークス参戦するフォーミュラEでの活動を優先すると決定し、エンゲルは長年戦ってきたDTMから姿を消すことに。メルセデスは2018年限りでDTMでの活動を終了するため、実質的にエンゲルはDTMを引退することになる。
「DTMでは去年モスクワで初優勝しているけど、まだやり残したことがあると感じている」とエンゲル。
「フォーミュラEとDTMのカレンダーがバッティングするなんて、本当に悔しいよ。メルセデスのDTM参戦ラストイヤーにドライバーのひとりとして携わりたかったけど、この問題を解決する簡単な方法は存在しないんだ」
「今後のことを考えて、2018年はフォーミュラEとGT3レースに注力することにした。それでもいくつかのラウンドではDTMの現場を訪れたいと思っているし、メルセデスがチャンピオンを獲得することを願っている」
メルセデスAMGモータースポーツの代表であるウルリッヒ・フリッツは「マーロは去年モスクワでメルセデスに勝利をもたらした重要なメンバーだった」と語った。
「今年、彼はフォーミュラEとカスタマーレース活動に専念することになる。エンゲルはオールラウンダーだから、シングルシーターでもGTカーでも速さを発揮するだろう」
「もちろん、彼は引き続きメルセデスAMGの一員だし、DTMチームのスタッフたちもエンゲルが素晴らしいリザルトを残すことを望んでいる」