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ヨルゴス・ランティモス監督、映画作りの醍醐味語る 『聖なる鹿殺し』特別インタビュー映像

2018年02月05日 19:52  リアルサウンド

リアルサウンド

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 第70回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞作『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』より、ヨルゴス・ランティモス監督の特別インタビュー映像が公開された。


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 本作は、前作『ロブスター』がアカデミー賞脚本賞にもノミネートされたランティモス監督の最新作。美しい妻と健康な2人の子供に恵まれ郊外の豪邸に暮らしていた心臓外科医スティーブンが、ある少年を家に招き入れたことにより、家族のなかに奇妙なことが起こり始め、ついに究極の選択を迫られる模様を描く。


 公開された映像でランティモス監督は、本作で描きたかったことについて、「大まかに話すと‘正義’と‘報復’、‘信念’、‘選択’などでしょうか。人生で大きなジレンマに直面すると、何が正しくて何が間違っているのか判断できなくなることですね」と語る。


 脚本の執筆はいつも異なる始まり方をすることも明かしながら、「今回は父親を亡くした男の子が父親を手術した医者に疑問を持って、正義を貫こうとしたマーティンというキャラクターが最初ですね。‘父親を亡くした男の子’という題材です。それも‘他人の過失によるもので’というね。それが前提で物語を始めて、そこからもう少し踏み込んで超自然的な要素も加えました」とコメント。また、「編集と撮影、どっちが楽しい作業かと聞かれますが、どっちも嫌いと答えています(笑)。どちらも大変でストレスが溜まりますからね。しかし、作業の過程で共同脚本のエフティミスたちとアイデアを出し合い物語を形作っていくのはとても楽しいです」と、映画作りにおいては脚本執筆作業が一番楽しいとも話している。


 前作『ロブスター』に続いてのタッグとなったコリン・ファレルについては、「確かに彼は好きですよ。知っている仲だから良い経験ができたし、お互いの関係を深めるのはたやすいことでした。コリンの役柄は前作『ロブスター』より複雑でしたが、お互いを知っていることが大きな助けになったと思います」と、絶大な信頼を寄せた。(リアルサウンド編集部)