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『西郷どん』モテ男・西郷がついに証明!? 北川景子、宮崎あおいを超える“篤姫”の可能性

2018年02月05日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

 島津斉彬(渡辺謙)が新たな藩主となった先週の『西郷どん』(NHK総合)。西郷吉之助(鈴木亮平)をはじめ、多くの者が「これで貧窮した情勢は変わっていく」と思ったが、斉彬は、3年は今の政治体制で進めていくことを宣言。父が流罪で謹慎中の大久保正助(瑛太)を中心に、吉之助たちは憤り、近く開かれる御前相撲で勝ち上がることで、斉彬に直訴することを誓う。


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 斉彬が愛した島津家の別邸であり、世界遺産の仙巌園に巨大な土俵セットを組み撮影された、男と男の汗がほとばしる熱き相撲戦い。それはまさにドラマのスタートから一貫して描かれた『西郷どん』の世界観そのもの。吉之助と海老原重勝(蕨野友也)、優勝した吉之助と斉彬との戦いは、遠くに見据える桜島のように堂々とした、男らしく手に汗握る対決だった。一方、並行して描かれるのは、岩山糸(黒木華)と正助の恋、そして吉之助の取り組みを見守る、初登場の於一(北川景子)の心情だ。


 正助の糸への恋心は、第2回の放送から取り上げられていた。第5回では糸に上級藩士・海老原との縁談が持ち上がる。立場の差からしても喜ばしい話であり、吉之助はこれを祝うが、糸の意中の相手は吉之助。鈍感な本人は気付くはずもなく、吉之助と糸、正助とで三角関係にあった。足繁く大久保家に通う糸を見て、郷中の仲間たちは正助の背中を押す。その気になった正助は、糸に気持ちを確かめに行くのだった。「もしかしたら、糸さぁは心に思っちょる人がおっとじゃなかか? そいなら嫁に行っとはやめた方がよか。糸さぁが思っちょ男と一緒になるべきでごわす」。言葉を聞いて、晴れやかになっていく糸の表情に、正助は微かな望みを感じるが、糸は吉之助からもらった草履を見つめ「おもしてか人じゃ、吉之助さぁは」と笑顔を浮かべる。糸の気持ちを察した正助は落胆。自分の正義を貫く吉之助に一途な思いを抱く糸。希望に満ちた表情を浮かべる黒木華と、失恋のショックから気力を落とし分かりやすくがっかりする瑛太の表情が対照的に描かれたシーンでもある。


 またもう一人、吉之助に惹かれていくのが島津家の分家に生まれ、徳川家定の正室候補である於一だ。島津家の姫という立場でありながら相撲で賭け事をするようなおてんばな面もあり、それでいて上品と愛らしさも兼ね揃えている女性である。於一のセリフで印象的だったのが「勝負は思いが強か者こそが勝ちもす」。於一は、熱く、真っ直ぐで、自分の芯を貫く吉之助に興味を持ち、この出会いはのちに篤姫としてお家のために尽力する彼女の心の支えとなっていく。


 斉彬から賭け事を持ちかけられても決して折れることのない心や、吉之助と斉彬との取り組みにも「行け西郷!」と空気を読むことなく、男勝りな面を見せる於一。2008年の大河ドラマ『篤姫』で主演を務めた宮崎あおいのイメージも残る配役だが、これから北川景子によってまた新たな篤姫が形作られていくのだろう。そして、第1回の放送で、吉之助についての“確かなこと”として「女にも男にもめっぽうモテた」というナレーションがあったが、それが証明された週とも言えるだろう。


 第6回「謎の漂流者」では、吉之助と糸、正助の恋愛模様が続く。吉之助への思いを抱いたまま嫁入りの日が迫る糸。そして、思いを伝えることを“ラブ”だと知る正助。結末はいかに。


※宮崎あおいの「崎」は「たつさき」が正式表記。


(渡辺彰浩)