トップへ

「キスマイVR」でKis-My-Ft2を“一人占め”! VRコンテンツならではの魅力に迫る

2018年02月04日 13:22  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 大好きなアイドルやアーティストのライブ中、広いステージのあちこちで同時に様々なパフォーマンスが行なわれるとつい、ステージの全貌や“推し”の姿を観たいあまり、「目があと4つくらい欲しい!」「人間の視野はなぜこんなに狭いのか……」と思った経験はないだろうか。VRコンテンツは、そんなユーザーに是非オススメしたいものだ。


(関連:「キスマイVR」でコンサートを疑似体験? VRと音楽表現の可能性を探る


 最近では画面の向きを変えると映像が変わる、360度動画も増えている。しかしVRは360度動画よりも映像に没入でき、臨場感溢れるコンテンツとなっている。そこで今回一例として挙げたいのがLIVE DVD & Blu-ray『LIVE TOUR 2017 MUSIC COLOSSEUM』初回盤に付属する「キスマイVR」。以前の記事(参考:「キスマイVR」でコンサートを疑似体験? VRと音楽表現の可能性を探る)でも見どころについて少し触れたが、本稿ではさらに深掘りしてVRコンテンツの魅力を伝えたい。


 今回の『MUSIC COLOSSEUM』は、客席の中央に設置された360度ステージが特徴的だ。本編冒頭に披露される「EXPLODE」では、メンバーそれぞれ別の方向を向いてパフォーマンスしていた。途中フォーメーションを変え、ジャニーズJr.を従えて迫力あるダンスを見せるのは圧巻の一言。360度ステージによってどの角度から見てもコンサートを楽しめる作りになっているとはいえ、座席によって好きなメンバーのパフォーマンスをじっくりと観ることができない、というのは少し残念なところかもしれない。


 一方「キスマイVR」の「EXPLODE」ではメンバー全員がこちらを向いてパフォーマンスしてくれるため、振りによってはすぐそこにメンバーの手があるような感覚に陥る。本編と異なりバックダンサーは登場しないが、だんだんと近づいてくるメンバーに思わずドキドキしてしまう。


 そしてトロッコで客席を移動する、本編の「キスしちゃうぞ」。まさしくアイドルコンサートの醍醐味が味わえる楽曲だが、座席によって近くに来るメンバーが異なる上、(当然だが)たとえ好きなメンバーが近くに来てもその場にとどまってくれるわけではない。距離の近さだけがコンサートの魅力ではないが、せっかくなら好きなアイドルやアーティストを近くで見たいのがファン心理というもの。「キスマイVR」の映像では、メンバーがユーザーに向かって指を差したり、投げキッスをしたり、手をつないでユーザーの周りをグルグル回ったり、と繰り返し観たくなる内容だ。Kis-My-Ft2をまさしく“一人占め”できるコンテンツに仕上がっている。


 またDisc2のアリーナツアー密着ドキュメントには「キスしちゃうぞ」VR撮影のリハーサルの模様を収録。映像ではVRカメラをぐるりと囲み、メンバー同士が向き合うという普段とは異なる立ち位置に少し戸惑いながらも、楽しげに踊るKis-My-Ft2の姿が映されていた。VRは視聴者にとって新鮮な体験であると同時に、アーティスト側にとっても新たな挑戦だ。アーティストたちも自分たちのパフォーマンスの魅力をVRを通じてどう伝えるか、模索しているところなのだろう。実際の「キスしちゃうぞ」VR映像では北山宏光が腹筋を披露、その上に横尾渉が乗る、というKis-My-Ft2らしく自然体で撮影を楽しむ様子も見ることができた。


 今回の「キスマイVR」はどちらもVRならではの没入感を生かし、「EXPLODE」ではセクシーでクールな一面、「キスしちゃうぞ」では王道のアイドルらしさ(と同時にバラエティ色の強い一面も)、とグループの異なる魅力を表現している映像と言えるだろう。今後のVRはファンにとって嬉しいコンテンツであるだけでなく、まだ対象のことを深く知らないようなリスナーが見てもその魅力を理解できるようなものが求められていくのかもしれない。(村上夏菜)