モンスターエナジーNASCARカップは2月1日、2018年のレギュレーションについて発表。ピット作業にあたるクルーの人数を削減するほか、引き続きダウンフォース削減に取り組む方針を示した。
NASCARではここ数年、決勝レースにステージ制を導入するなど大幅な規則改定が行われてきたが、今年は「安定モード」に舵を切るとして、大幅な変更は行われなかった。
車体については、ダウンフォース削減に向けた取り組みを続行。2018年は全チーム共通のスプリッターとラジエーター・オイル・クーラーを採用することになり、最大225ポンドのダウンフォースが削減される見込みだ。
この変更は、スーパースピードウェイで発生しやすいマシンが空中を舞う“エアボーン”や横転クラッシュの抑制につながるとしている。
また、クラッシュ時の状況を撮影するハイスピード・オンボードカメラを全車に装備し、アクシデント発生時の状況分析に活用する。
マシンのピット作業を行うクルーについては従来の6名から5名に削減された。1名は給油作業のみを担当するため、残り4名でジャッキアップやタイヤの取り外し、ニュータイヤの取り付けといった作業を行わなければならず、少なくとも1名は複数の作業をこなさなければならない。
NASCARは今回の人数削減は安全上の理由だけでなく、ピットクルーにアスリートとしての要素を持たせることも目的だとしている。
競技部門のシニアバイスプレジデントを務めるスコット・ミラーは「従来のシステムでは、ピットクルーをアスリートとしてハイライトすることができなかった。今年からはそれが可能になる」と述べた。
「これまでピットクルーはアスリートではなく、チームの備品のように捉えられがちだった。今回、ルールに柔軟性が生まれたことで、クルーの活用法について選択肢が増える。それを望んでいたんだ」
「クルーのようなアスリートは我々のショーの一部であり、ストーリーの一部だ。ジャッキやインパクトレンチの性能ではないものを、物語として伝えていきたい」
そのほか、インパクトレンチは全チーム共通のものに変更されるほか、チームクルーには役割を明確に判別できる服を着用すること、車検にはホークアイ・イノベーションズ製のスキャニングシステムが採用されることなどが発表されている。