トム・クリステンセンが、2018年の第86回ル・マン24時間耐久レース参戦に名乗りを上げたF1ドライバーのフェルナンド・アロンソに対して、賛意を示した。
9回のル・マン総合優勝経験を持つクリステンセンは、アロンソのル・マン24時間参戦について以下のように語っている。
「私はフェルナンドのレースに臨む姿勢を素晴らしいと思う。彼はF1でのキャリアだけでなく、モータースポーツ界全体に対して情熱を燃やしている」
「彼はインディ500とデイトナ24時間にも出場した。現在準備を進めているル・マンについても非常に詳しいね」
クリステンセンの発言は、アロンソが2018-19年シーズンにTOYOTA GAZOO Racingと手を組むことが正式発表されたことを受けてのものであり、さらに以下のように述べている。
「私は過去何年かの間に何度か、ル・マンについて彼に話したことがある。彼はいつもル・マンに強い関心を抱いていた。プロトタイプカーを見たときには、すごく興味を惹かれた様子だったよ」
アロンソは先週末、ユナイテッド・オートスポーツからロレックス・デイトナ24時間レースに参戦し、初めての耐久レースを体験した。
マシンがタイヤのバーストやブレーキトラブルに見舞われてしまったため、アロンソとチームメイトのランド・ノリス、フィル・ハンソンは出場チーム中の下位でレースを終えた。
それでもなお、アロンソは約3時間にもわたる長時間のスティントや夜間走行など、ル・マンに向けて理想的な準備ともいえる貴重な経験を積むことができた。
「今度のチャレンジは文句なしに素晴らしいものだ。自分がリズムに乗れてマシンのパフォーマンスも出せていれば、それ以上のことはない」とクリステンセンは言う。
2014年に引退したクリステンセンは、ル・マン参戦を懐かしく思っていることを認めたものの、現役復帰は考えていないとの考えを語った。
「私はもう50歳になったし、迷わずにマシンを離れて、観る側にまわっているよ。今年も同じだ」
しかしクリステンセンは、2月2日、3日にサウジアラビアのリヤドで開催される2018年のレース・オブ・チャンピオンズ(RoC)には出場を予定している。
RoCにはノリス、元F1ドライバーのファン・パブロ・モントーヤ、デイビッド・クルサードなどが参戦する予定。またインディカー・ドライバーのエリオ・カストロネベス、ジョセフ・ニューガーデン、ライアン・ハンター-レイ、そして世界ラリー選手権の元チャンピオンであるペター・ソルベルグなども名を連ねている。
だがセバスチャン・ベッテルは参戦見送りを決断し、ほかの現役F1ドライバーたちも出場を断った。おそらく2017年のRoCでクラッシュを喫し、F1のシーズン開幕2戦を負傷欠場したパスカル・ウェーレインの件が念頭にあるのだろう。
クリステンセンは、モータースポーツ界全体から集まってくる、異なる種類のマシンに乗ったさまざまなドライバーたちと競い合えることがRoCの魅力であると話す。そこで感じるのは、アロンソをインディ500やデイトナ24時間、そしてル・マン24時間に惹きつけているのと同じような気持ちなのだとして次のように語った。
「私は、そうした多様性のある場面を観ながら育ってきた。マリオ・アンドレッティやジャッキー・イクスなどの一流のドライバーたちだ。その後、さまざまなカテゴリーのレースで自分が競い合ったドライバーたちも同様だ」
「真のレース精神がそこに表れているのだ」