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WRC:ラリークロス王者クリストファーソンがスウェーデンに参戦。ボスのソルベルグと“対決”

2018年02月02日 16:02  AUTOSPORT web

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2017年にWorldRX王者となったヨハン・クリストファーソンがWRC母国ラウンドに参戦
2017年のWorldRX世界ラリークロス選手権を圧倒的な強さで制した王者、ヨハン・クリストファーソンが、2月15~18日に開催されるWRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデンに、シュコダ・ファビアR5で参戦する。

 2016年にも地元スウェーデンのWRCイベントに参戦した経験があるクリストファーソンだが、今回のファビアR5のようにクラス制覇が可能なポテンシャルを持つマシンでエントリーするのはこれが初めてのこと。

 ただし、クリストファーソンは今月に入ってからも本業のWorldRX2018年シーズンに向けたテストで日程が埋まっており、ラリー・スウェーデンに向けた本格的なR5車両の完熟テストをパスしなければならず、ほぼぶっつけ本番の状態でイベントに臨むという。

「2年前にこの母国の世界選手権に参戦したときは、同じファビアでもS2000規定の旧型モデルをドライブしたから、参戦クラスに対してコンペティティブなマシンとは言えなかったんだ」と振り返ったクリストファーソン。

「でもファビアR5は違う。これは第一線を戦う現役のR5カテゴリー車両だからね。ラリーに参戦してスペシャルステージ(SS)での経験を積むことは、ラリークロスのドライビング改善にもつながるだろう」

「こうしてラリーに参戦することができて本当にうれしいよ。可能ならスタートの前に1日だけテストをして、本番に挑みたいと思っている」

 2016年にスーパー2000車両で参戦した際にはクラス11位を記録しており、今回の目標は当然それを上回り、クラスでトップ10圏内に入ることをターゲットとして定めている。

「もちろん、スウェーデンのイベント3日間を通じて上位をキープし続けるのは簡単ではないだろう。でも、いくつかのステージでトップ3タイムが記録できたら最高だろうね」と、笑顔で語るクリストファーソン。

「でも一番重要なことは、SSでの走行距離を稼ぎ多くのステージを経験することだ。それこそが今回のチャレンジで最大のテーマであり、学習することが目的だからね」

 クリストファーソンはテストを通じてペースノートへの習熟に時間を割くつもりだというが、その取り組みに加えてWRC2チャンピオンのポンタス・ティデマンドらにも教えを請い、アドバイスを受ける予定だという。

「ほんの数年前にいくつかのラリーに参戦したときは、ペースノートをすべて聞き取り、ディテールまで把握するのは本当に難しいことだと感じた」

「でも徐々に良くなってきてはいるし、今ではトップドライバーの情報量の70%ぐらいは聞き取れるようになったんじゃないかな?」

「だから現時点での最大の問題はレッキ(下見走行)だ。本当に短いワードでコーナーを正確に表現する方法を見つけなければならない。これはとんでもなく難しい作業だけど、それに取り組んでいるところなんだ」

 クリストファーソンがこの2018年WRC第2戦スウェーデンへの参戦を表明したことで、WorldRXでは彼にとってボスであり、PSRXフォルクスワーゲン・スウェーデンのチーム代表を務めるペター・ソルベルグとの直接対決が実現することも意味する。

 WorldRXではクリストファーソンのチームメイトでもあるソルベルグは、今回パニラ夫人とともにフォード・エスコートRS1800に乗り、ラリー・スウェーデン・ヒストリックにエントリーしている。

 その点について「2003年のWRC世界ラリー選手権チャンピオンを倒せる自信はあるか?」と訊ねられたクリストファーソンは、次のように答えている。

「確かに彼のマシンよりポテンシャルの高いクルマをドライブすることになるけど……さぁ、どうだろう。2003年の世界チャンピオンを過小評価することはできないよね!」