FIAとF1チームがサスペンション規則について議論するなかで、メルセデスがアクティブサスペンションを復活させることを提案していると報じられた。
走行中にマシンの姿勢を制御して最適に保ち続けるためのアクティブサスペンションシステムは、1994年からF1では禁止されている。
しかし2017年シーズンを前に、トリックサスペンション(サスペンションの動きによって生じたエネルギーを蓄え、後に再利用してマシンの姿勢をコントロールするシステム)に関する論争が起きた際に、FIAとチーム側がサスペンション規則について話し合い、そのなかでアクティブサスペンションへ移行するという案も提示された。
2017年末には、FIAは2018年に向けて、コーナーでマシンフロント部の車高を下げるためのサスペンション&ステアリングシステムは違反であるとの技術指示書を発行した。これにより、最近のF1テクニカルワーキンググループ会合では、改めてサスペンション規則についての協議がなされている。
そのなかでチーム側からふたつの正反対の意見が提示されているという。ひとつはダンパーとスプリングのシンプルなサスペンションレイアウトに戻るという案、もうひとつは現在禁止されているアクティブサスペンションを復活させるという案だ。
メルセデスはアクティブサスペンション復活を望み、フェラーリはそれに反対しているとドイツのAuto Motor und Sport誌が報じている。
同誌に対し、メルセデスのあるエンジニアは、アクティブサスペンション採用を希望する理由を次のように説明した。
「このシステムを一度開発し、それを凍結するなら、その方が安く済む。年間100万ユーロ(約1億3500万円)はセーブできるし、グレーエリアもなくなるだろう」
「FIAにとってもコントロールするのが圧倒的に楽だ。しかもオーバーテイク促進にも役立つ。マシンの後ろに発生するタービュランスの影響を最低限に抑えるようプログラムすることができるのだ」
メルセデスの意見に同調しているのは、ルノー、トロロッソ、フォース・インディアであり、フェラーリに賛成しているのはウイリアムズ、ハース、ザウバーであるとAuto Motor und Sport誌は伝えている。レッドブルとマクラーレンは現状維持を希望しているということだ。