舞台『レインマン』が、7月20日から東京・初台の新国立劇場中劇場で上演される。
同作は、1988年に公開され、『アカデミー賞』主要4部門に輝いた同名映画の舞台版。『レインマン』は2006年に日本において世界で初めて舞台化され、2008年にはロンドンのウエストエンドで新たに舞台化された。今回はダン・ゴードン脚本によるウエストエンド版の翻訳上演となる。事業に失敗して破産寸前のチャーリーが父の訃報を聞いて遺産を手に入れようと帰郷するが、財産は兄レイモンドが受け取ることになっていると知り、重度の自閉症患者である兄を施設から連れ出そうとを決意するというあらすじだ。
財産の半分を自分に譲るようレイモンドを説得しようとする弟チャーリー役を演じるのは藤原竜也。兄のレイモンド役を、2006年の日本版舞台でチャーリー役を演じた椎名桔平が演じる。藤原と椎名は今回が初共演。さらに中越典子、横田栄司、吉本菜穂子、渡辺哲がキャストに名を連ねる。上演台本および演出は、劇団サンプルを主宰する松井周が手掛ける。
藤原竜也は「トム・クルーズさんが演じたチャーリー役は素晴らしいので意識せざるをえませんが、舞台でしかできない表現を見つけたいと思います」と意気込みを語っているほか、共演の椎名桔平については「俳優としてかっこいい生き方をされている方なので、今から兄弟を演じるのがとても楽しみです。芝居だけでなく、芝居以外でも、俳優としてたくさんのことを学ばせていただきたいと思います」とコメント。
一方の椎名は「自分には時期尚早かなとも思いましたが、弟役を通して兄役を見続けてきた事が、きっと力を与えてくれるのではと考えました。藤原竜也さんは、蜷川幸雄さんの舞台で数々の優れたお芝居をされてきたとの印象があります。この作品は2人の兄弟としての成り立ちが軸になるので、その関係性を協力して繊細に作っていけたらと思っています」と語っている。
チケットの一般販売は4月21日にスタート。同公演は静岡、福岡、大阪、宮城、名古屋でも上演される予定だ。
■藤原竜也のコメント
誰もが知る映画の舞台版に出演するのは初めてです。トム・クルーズさんが演じたチャーリー役は素晴らしいので意識せざるをえませんが、舞台でしかできない表現を見つけたいと思います。
自分にも兄がいるので、今回の役には感情移入しやすいかもしれません。演出の松井さんと共にしっかり稽古をし、自分にしかできないチャーリーをお見せしたいです。椎名桔平さんとは今回が初共演ですが、俳優としてかっこいい生き方をされている方なので、今から兄弟を演じるのがとても楽しみです。芝居だけでなく、芝居以外でも、俳優としてたくさんのことを学ばせていただきたいと思います。世代ごとの楽しみが増え、個人の時間が増えている今だからこそ、家族について描いたこの芝居をたくさんの方に観ていただきたいと思います。
■椎名桔平のコメント
舞台「レインマン」は、過去に2度にわたって弟役を演じました。
再演では、初演とは違ったアプローチを試みてキャラクターを演じ、自分の中ではやり切った感もありました。しかし今回、兄役で演じる事には驚きと不安が入り混ざります。難役は承知の上、避けて通れない挑戦になるなと思っています。映画ではダスティンホフマンさん、舞台では橋爪功さんが兄役を演じられ、その名演にただただ感銘を受けてきました。自分には時期尚早かなとも思いましたが、弟役を通して兄役を見続けてきた事が、きっと力を与えてくれるのではと考えました。藤原竜也さんは、蜷川幸雄さんの舞台で数々の優れたお芝居をされてきたとの印象があります。この作品は2人の兄弟としての成り立ちが軸になるので、その関係性を協力して繊細に作っていけたらと思っています。この舞台は家族を描いた普遍的なテーマの作品です。そして、力強くて優しい物語です。観ていただいた方々に、生きる勇気と喜びを実感して頂けると信じています。
■松井周のコメント
「レインマン」は「出会い」の物語です。自分を中心にして世界が回っていると考えるチャーリーと、自分を脇において世界を観察しているレイモンドの「出会い」がお互いの世界観を変えてしまうほどです。藤原竜也さんと椎名桔平さんの「出会い」による化学変化がこの作品をどのように育てていくのか、今からとても楽しみです。誰かの存在が自分を変えてくれることの歓びを描きたいと思っています。