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WEC:メカクローム、ジネッタLMP1での初テスト成功を喜ぶも「微調整の必要ある」

2018年01月31日 13:22  AUTOSPORT web

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ジネッタの新型LMP1シャシーに搭載されたメカクローム『V634P1』
FIA F2(旧GP2)やGP3のワンメイクエンジンを手掛けるメカクロームは1月30日、同社が開発中のLMP1用新型エンジン『V634P1』がマシンに搭載された状態の画像を公開した。

 昨年12月に型式、スペックなどの概要が発表されたメカクローム製LMP1エンジン『V634P1』。FIA F2用新型エンジンの派生型となる3.4L V6シングルターボエンジンは、ジネッタが2018/19年のWEC世界耐久選手権に投入する新型LMP1マシン『ジネッタG60-LT-P1』にパッケージされることが明らかになっているほか、ダラーラとロシアのGRエンジニアリングが共同開発中の『BR1』にも搭載可能とされる汎用LMP1エンジンだ。

 1月19日、ジネッタとメカクロームはイギリスのリーズ・イースト空港で新型マシンのシェイクダウンを実施し、これを大きなトラブルなく完了させている。初のテストでは直線を走るに留まったが、メカクロームはV634P1が正常に稼働したことを確認。ポジティブな結果を歓迎した。

「現在、我々はジネッタと素晴らしい関係性を築いているが、このプロジェクト以前は一緒に働いたことがなかった。さらにLMP1にも関わっていなかったんだ。そのような状況でも全体としてスムーズにことが進んでいることは本当に素晴らしい」と語るのはメカクローム・モータースポーツを率いるブルーノ・エンゲリック。

 初の実走テストを終えてエンゲリックは「マルチコネクション・ボックスの位置を微調整する必要がある」と改善すべき点を指摘する。

「GP3エンジンとF2エンジンでは、マルチコネクション・ボックスが奥まった場所にあるが、LMP1マシンでは整備時のアクセスを容易にするため、作業しやすい位置に移動させる必要があると考えているんだ」

「また、オルタネーターの設置場所も少し変更しなければならない。現在の搭載位置は非常にタイトでクルマが縁石を越えた際に正常に機能しない可能性があるんだ。我々は(今回のテスト以前に)この問題を予測していたため2月末に実施予定の次回のテストに向けて、すでに解決策を考えている」

 メカクローム同様、シェイクダウンの成功を喜ぶジネッタ・テクニカルディレクターのイワン・ボールドリーは「我々はメカクロームとの共同作業の日々を楽しんでいる」とコメント。

「シャシーとエンジンのパッケージングはスムーズに進んでおり、先日行なったテストの結果にはとても励まされている」

「メカクロームの技術スタッフとはこれまでも各テストイベントで互いに協力し合ってきた。そして今後もともに長い道のりを歩んでいくだろう。我々はジネッタとメカクロームの両者がもたらす未来に自信を持っており、そのことに興奮している」

 2018/19年のWEC、LMP1クラスには1月30日にフェルナンド・アロンソの起用を含む今季のドライバーラインアップを発表したTOYOTA GAZOO Racingのほかプライベーターチームとして、新型マシン『BR1』での参戦を表明しているSMPレーシングとドラゴンスピード、2017年は第5戦以降のラウンドをマシン開発を理由にスキップしたバイコレス・レーシングチーム、2016年までLMP1クラスを戦い2017年はLMP2王者となったレベリオン・レーシング、そしてジネッタG60-LT-P1を使用するマノー・TRSレーシングの全6チームがエントリーする見通し。

 気になる参戦台数やマシンパッケージなどが明らかとなるWECフルシーズンエントリー及びル・マン24時間レースの正式エントリーリストは2月9日に発表される予定だ。