キャリコネニュースでは、約100万人が登録する国内有数の転職口コミサイト「キャリコネ」のデータから、業界別で「給与の満足度が高い会社ランキング」を作成した。今回は電機メーカー業界のランキングだ。
対象は、2017年10月1日~2017年9月30日の期間に評価が10件以上寄せられた企業で、主に個人向けに家電などを取り扱うイメージの強い電機メーカーの給与満足度を比較した。家電などでは省エネ製品や高機能機種への買い替えが盛んだが、近年は中国などの海外メーカーが国内でも存在感を強めている。
当記事では「キャリコネ」でユーザーが採点したいくつかの評価項目の中でも、「給与の満足度」の得点に注目しランキングを作成した。「給与の満足度」は仕事内容や労働時間などを考慮しての評価で、単純な金額の高低とはまた違った指標となっている。
大手電機メーカー業界の「給与の満足度」の点数は以下のようになった。
1位:パナソニック 3.68点
2位:ソニー 3.57点
3位:日立製作所 3.47点
4位:三菱電機 3.35点
5位:パイオニア 3.33点
6位:日本電気 3.32点
7位:東芝 3.21点
8位:ダイキン工業 3.04点
9位:富士通 2.98点
10位:京セラ 2.96点
パナソニック社員「上司も教育意識が高く、成長環境が整っている」
1位:パナソニック
照明や美容家電などで特に大きなシェアを誇る最大手パナソニックが1位となった。「会社として、ハード面での技術力があること、またブランド力も高く拡販力があることより、コンシューマーに大きなインパクトを与える商品や技術に携わることができる会社であり、そこに面白みややりがいを感じることができると思う。また、商品が多岐にわたるため、様々な分野で活躍することもできる」(機械設計 30代前半 男性 610万円)という声も。同社は09年に三洋電機を子会社化。近年は自動車や住宅分野にも注力している。
「教育環境が整っており、各職種には相応の研修制度がある。また、キャリアアップ時の研修も手厚い。上司も教育意識が高く、積極的に業務の指導してくれたり、キャリアについて相談できる風土があるため、個人の成長環境も整っている」(その他 30代前半 男性 650万円)
「大企業が故の福利厚生は、本当に充実している。以前は使ったものだけが得をして不公平感があった(社有のリゾート施設、保養所など)が、カフェテリアポイントの導入後は、それぞれの社員の価値観に合わせて利用できるのが一番良い点。福利厚生サービスは外注になったが、不公平感が解消されたと同時に福利厚生メニューが格段に増加し使いやすくなった」(管理関連職 50代後半 男性 1400万円)
2位:ソニー
創業事業であるエレクトロニクス分野の業績不振で赤字決算が続いていたが、多くの事業で黒字化を果たし、18年3月期では20年ぶりの最高益更新を見込むソニー。口コミでは「フレックスタイムの導入により、メリハリをつけた勤務体制が可能」(経営コンサルタント 20代後半 男性 800万円)という声が。各種育児関連制度をはじめ、介護休職、ボランティア休職、留学などを目的としたフレキシブルキャリア休職などの制度も充実しているようだ。
「基本的にはプロジェクト単位で仕事は動いているため、そのプロジェクトごとに勤務時間の波がある。製品リリースや、社内の設計・製造イベントの直前には、その対応のために労働時間も長くなる。ただし、それは事前に予測できていることでもあるため、特段の不満もなく、むしろそれを越えて行くたびにプロジェクトとしての結束が強まっていくような感覚もあり良かった」(光学設計 40代前半 男性 800万円)
「一般的な電機メーカーの中では年収は高い方であったと思います。基本的に残業代は申告した分だけ発生し、出張手当などもきちんと出ました。7年間は手厚い家賃補助が支払われていたため、非常に助かりました。家賃の6割~7割程度が会社に負担していただいていたと記憶しています」(研究開発 30代後半 男性 940万円)
3位:日立製作所
3位には洗濯機や冷蔵庫で近年、大型&高級な商品の開発に注力している日立製作所が入った。「福利厚生は充実しており、住宅補助などは家賃の半額ほど出される。その他にも生活に関わる手当が多数あるため、普通に結婚して育児をして、親の介護をしてと言う人生を送る予定の方には非常にありがたい制度体制ができているように感じる」(システムエンジニア 20代前半 400万円)など、充実した福利厚生を指摘する口コミの多さが目立った。
「福利厚生は充実していて、複数のカフェテリアプランから好みのものを選択可能。常駐があれば常駐手当も存在する。賃貸を借りるのであれば、住宅補助は非常に手厚く、上限があるが、家賃の半分が支給される。福利厚生で困る部分はあまりないと考えられるし、その点については非常に満足している」(システムエンジニア 20代前半 男性 550万円)
「日立の有給取得率はおそらく低く表示されるかもしれませんが、それは入社1年目から年間24日割り振られるからです。メーカーなので夏休み、冬休み、ゴールデンウイークが長く、12連休などもありました。休みはとれる会社だと思います」(研究開発 20代後半 男性 550万円)
4位:三菱電機
08年秋に洗濯機事業から撤退した三菱電機は4位だった。給与について口コミでは、「そこまで高くありませんが、毎年ゆっくりと上がっていきます。営業ではありますがが業績はチーム単位で管理されるためある程度結果が出なくてもチーム内でカバーし合うことが可能です。逆に結果が出た場合はボーナスに大きく反映されるためモチベーションアップにつながります」(法人営業 20代後半 男性 450万円)という声もあった。
「仕事のスケジュール次第ではあるが、自由に休みは取れる。また保養所も湯布院等にあり、割安で泊まれる。スポーツクラブの割引き利用のほか、プライベート旅行、社販品購入、昼食費等、自由に選べる費用補助があり、充実した福利厚生制度がそろっている。有給休暇は年3日は強制取得となり、取得しやすい風土がある」(代理店営業 20代後半 男性 640万円)
「福利厚生はとても充実している。社宅や寮も多くあり、ローンや保険もかなり充実しており不満は何もない。また、会社の特典も多々あり、多くのサービスを格安で受ける事が出来る。生涯通して福利厚生で不満を持つ事は無いように思える。社割もあり、自社製品を少し安く購入する事も出来る」(貿易事務・国際事務 20代後半 男性 660万円)
5位:パイオニア
5位にはオーディオ機器のみならず、カーAVに力を入れているパイオニアが入った。「フレックスなので早く出社なども可能で、自由な時間で働ける」(プログラマ 30代後半 男性 750万円)という声もあり、労働時間に対する満足度は非常に高いようだ。
「出産育児については融通が利くようであった。時短勤務も可能であり、休暇についても比較的自由に取れる。介護休暇についても説明会を開くなどしているようであった。上記の事情がある社員については、それが原因で辞めなくてもいい体制になっている」(テストエンジニア 40代前半 男性 600万円)
「残業規制がかかっており、残業時間は基本的に少ない。残業0時間に制限されていた月もあった。一部客先対応部署や、ソフト開発部門では残業時間が多い部署もある。休日出勤も基本的に無い。自動車メーカーに合わせて祝日に出勤するケースはある。総じてワークライフバランスは取りやすい」(プログラマ 30代前半 男性 450万円)
「自治体の給付で補えない特定不妊治療費の補助が数十万単位で利くことも」(日本電気)
6位:日本電気
「特定不妊に対する自己負担面での重さを考慮して、自治体からの給付でも補えない部分が出てくると、NECの場合は会社が負担してくれる。(回数制限、金額制限があるが)。非常時に対しての補助を数万から数十万単位で補助がきくところは大企業ならではと思う」(代理店営業 30代前半 男性 600万円)
7位:東芝
「人間関係は良好です。みな温厚で人を否定したり、争いごとをあまり好まない傾向にあります。またみな真面目でまわりのために働こうとする精神と社風があるように思います。社風があっていれば素晴らしい会社と思います」(マーケティング 30代前半 女性 600万円)
8位:ダイキン工業
「部署にもよりますが、ある程度の級になると裁量労働制になります。残業は人による差が大きく多い人だと月50時間ぐらいあります。少ない人だと0に近い人もいます。休日出勤は繁忙期にはありますが、代休を確実にとることができます。また有休は100パーセント消化することができます」(システムエンジニア 30代後半 男性 730万円)
9位:富士通
「残業もありますが、上場企業としてキッチリと残業代支払われます。休日出勤のことがありますが、頻度は容認できるような範囲。プライベートと仕事両立できるような環境でした。女性も働きやすい環境でした」(海外営業 30代前半 男性 660万円)
10位:京セラ
「自分のやりたいことをやりたいようにできる環境で、一人や複数での仕事もあり、やりがいやスキルアップには良かったかと思う。海外工場がある事業は海外出張もあり、非常に良い経験を積め、年数関係なく派遣される」(メカトロ設計 20代後半 男性 500万円)