DTMドイツ・ツーリングカー選手権で2度チャンピオンを獲得し、2017年も最終戦までタイトルを争ったマティアス・エクスロームがDTM引退を発表。2018年は世界ラリークロス選手権に集中することを明らかにした。
2001年にアウディからDTMにデビューしたエクストローム。翌年に初優勝を遂げると、2004年には4勝を挙げドライバーズチャンピオンに輝いた。2007年に再びタイトルを獲得し、以降もアウディを牽引。昨シーズンも1勝を挙げ、最終戦までタイトルを争いシリーズ2位でシーズンを終えていた。
DTM参戦17シーズンで193戦に出場し、通算23勝を挙げていたエクストロームだが、昨シーズン限りでDTMを引退することを発表。2014年からDTMと並行して参戦し、2016年にはチャンピオンを獲得している世界ラリークロス選手権に集中することを明らかにした。
「今までの中で、もっとも難しい決断のひとつだったよ。長い間、DTMは僕の人生だったし、これからも同様にDTMは僕の心を揺らし続けるだろう。しかし、近年はラリークロスチームに多くの時間とエネルギーを費やしてきた」
「ふたつのプログラムがなければ、ひとつのシリーズにもう一度完全に集中することができ、家族や子供たちにも自由を与えることができる。自分自身のチームのために競争を続け、有望な若者のためにDTMの道を与えるんだ」とエクストローム。
アウディスポーツの代表を務めるディーター・ガスは、「マティアスは、2018年にひとつのシリーズだけにしか挑戦したくないという希望を早めに知らせてくれた。マティアスは両方のプロジェクトにとって非常に貴重で重要な存在だ。だからこと、この決定は我々にとっても簡単なものではなかった」とコメント。
アウディのDTMドライバーラインアップには、エクストロームの代わりにロビン・フラインスが加わることも発表された。フォーミュラ・ルノー3.5シリーズでチャンピオンを獲得し、ザウバーやケータハムでF1テストドライバーを務めていたフラインスは、2015年よりアウディのカスタマーサポートドライバーを務めブランパン・シリーズに参戦。2017年はブランパンGTシリーズ・スプリントカップでタイトルを獲得している。
2013年にはDTMをテストしたことがありフラインスの起用に関してガスは、「ロビンは当時から強い印象を残し、それ以来、彼を常に見続けていた。アウディR8LMSでも彼は能力を発揮しているし、フォーミュラEのシミュレーターでも優れた仕事をしている」
「昨年レネ・ラストが示したように、ルーキーでもDTMでのタイトル争いは可能だ。ロビンは大きな可能性に秘めているし、2018年のドライバーラインアップでも非常に良いポジションにいる。我々は確信しているよ」と語っている。