レッドブルのマックス・フェルスタッペンは「たとえF1の歴史に残る偉大なドライバーといえど、比較されたくはない」と語る。
「誰かと比べられることが、そもそも好きじゃないんだ」と、オランダの人気TVキャスター、ウィルフリード・デヨングとの独占インタビューでフェルスタッペンは断言した。たとえあなたが、新時代のアイルトン・セナだと評価されたとしても?という問いにも、「自分の道を進むだけだ」と素っ気ない。
「ファンたちが僕を賞賛してくれるのは、もちろん悪い気分じゃない。でもそういうことは、あまり考え過ぎないようにしてる。F1の世界では、頂点にいたかと思えば、次の瞬間にどん底に落ちることもしょっちゅうだからね。たとえば2016年の雨のブラジルGP(レース後半の15周で順位を14位から3位まで上げた)は本当に最高のレースだったけど、僕の中ではもう過去の出来事に過ぎない」
現役F1ドライバーで誰が最高だと思うかと尋ねても、フェルスタッペンの答えはブレない。
「ドライバーとしてやって行く限り、自分が最高だと思うべきだし、ずっとそう信じてやって来た。そうでなければ、戦う意味なんてないよね?」
「僕の目標はこの世界の頂点を極めることで、チャンスがあれば絶対にそれを逃すつもりはない。今のF1では往々にしてドライバーの腕よりも、クルマの出来に結果が左右される。でも近い将来、今よりずっと頻繁にレースに勝てるようになることを心の底から願ってるよ」
「F1ドライバーだった父ヨス・フェルスタッペンと一緒にいたマックスは、小さい時からF1界の有名人たちに可愛がられた存在だった。
「でも当時の僕は、あまりに小さかった。あのミハエル・シューマッハーといっしょに休暇を過ごしたこともあったなんて、当時はその貴重さを考えもしなかったよ。息子のミックと遊ぶのに、忙し過ぎたからね」
フェルスタッペンはF1の歴史にも、大して興味はない。ジム・クラークといわれても、全然ピンと来ないという。
「たとえばセバスチャン・ベッテルとかは、古いクルマやバイクが大好きだ。でも僕は、そうじゃない。少しは興味があるけど、でもその知識をそんな過去まで掘り下げるつもりもない。もちろん名前くらいは知ってる。でもそれで十分さ。実際に運転したいとも思わない。古過ぎるし、遅過ぎる。もちろんすべてのクルマは、限界まで走らせるのは楽しいものだよ。でもあえてやろうとは思わないね」