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スーパーGT:ジェンソン・バトンに聞くホンダNSX-GTとF1。最大の違いは“V字とU字”

2018年01月29日 13:51  AUTOSPORT web

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2018年のスーパーGTに参戦するジェンソン・バトンにF1とGT500の違いを直撃
2018年のスーパーGT500クラスにチーム国光から参戦するジェンソン・バトン。2017年は鈴鹿1000kmにスポット参戦したほか、12月のセパンテストにも参加しているバトンに、F1マシンとNSX-GTの乗り方の違いについて直撃した。

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ーーF1からスーパーGTに乗り換えて、ドライビングを変える必要はありましたか?

ジェンソン・バトン:GT500とF1の最大の違いは、ストレートスピードの高さだ。F1では可能な限りスロットルの全開時間を長くとり、ブレーキングもハードに行なう。そして、コーナーでは鋭角的な“V字型”を描くようなラインをとる。クルマが真っすぐな状態のほうがアクセルを全開にできるからね。

 F1はとにかくパワーが凄まじいから、コーナーで少しでもスロットルを開けすぎると簡単にスライドしてしまう。だから、直線区間をより長くとれるV字型ラインのほうが有効なんだ。

 しかし、GT500はF1よりもパワーが低くストレートスピードは遅い。そしてタイヤのキャパシティにも余裕があるから、コーナーに高いスピードをキャリーする“U字型”のコーナリングのほうが結果的に速い。

 そして、GT500のドライビングは、基本的にカートやF3と何も変わらない。F1だけがちょっと特殊なんだ。だから今、僕は若い頃に実践していた“U字型”のドライビングに戻そうと取り組んでいる。決して難しくはないが、しばらくF1の世界にいたから、切り替えには少し時間が掛かったね。

ーーU字型とはつまり、テキストブック・スタイルですね? カートもGT500も変わらないとは驚きです。

ジェンソン・バトン:カートはエンジンパワーが限られているから、できるだけエンジンの回転数を高く保つ必要があり、コーナーでは回転がスムーズに推移するように感覚を研ぎ澄ませる。また、アクセルペダルを戻す時間はできるだけ短くしなくてはならない。

 そしてそれは、F3でも全く変わらない。カートと同様F3もパワーがないから、コーナーの進入で速度を落とし過ぎてしまうと、アクセルオンでパワーが戻ってくるまでに時間がかかってしまう。だから、とにかくコーナーで高い速度を維持することが重要なんだ。

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 2月2日発売の『スーパーGTファイル2018 DVDスペシャル』では、バトンにスーパーGTのタイヤやNSXの特性についても直撃。上述の「若いころに実践していた」というU字型の走りに関してレーシングスクールに通っていたエピソードも明かしている。

 スクール加入時、14歳でスクールレースには出場できなかったものの、ウエット路面でクルマの動かし方、ミッションの構造なども学び、クルマの状態を気遣いながら乗ることを学んだというバトン。路面コンディションが厳しい時ほど本領を発揮するバトンの原点といえるかもしれない。

 3レース分の予選&決勝1スティントを完全収録したDVDが特別付録のスーパーGTファイル2018DVDスペシャルは2月2日発売。

■スーパーGTファイル2018 DVDスペシャル
価格:1200円+税

DVD特別付録内容
QF & RACE On Board×3 収録時間200分以上
●チャプター1 石浦宏明×#38 ZENT CERUMO LC500
第3戦オートポリス/“燃リス”ハンディで直線が遅く苦しいレース展開
●チャプター2 松田次生×#23 MOTUL AUTECH GT-R
第5戦富士/コンパウンドが合わず決勝では大オーバーステアと格闘
●チャプター3 野尻智紀×#8 ARTA NSX-GT
第4戦SUGO/ウォームアップに悩んだ後、遭遇した“トラップ”

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